この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『がんと癌は違います 知っているようで知らない医学の言葉55』です。本書からも一部つかみの部分を引用しますが
- 重体と重傷の違いってなに?
- 新型コロナって何が新型?じゃあ旧型は?
- リンパってなんのこと?
- デトックスの老廃物って具体的に何?
考え始めたらキリがありません。それだけ無意識に適当なノリで使っている言葉がたくさんあることに気づきます。
本書では医学に関わる言葉をネタにしてどんな意味で使われているのかを解説してくれています。「がんと癌」はあくまでネタの一つであって癌がメイントピックというわけではない点、あらかじめご認識おきくださいm(_ _)m。
- 巷で使われているけど、医者は使っていない言葉
- 意味を間違えやすい単語
- 通称で呼ばれている病気
- 意味が分かりづらい単語
- 医療ドラマで出てくる用語
- 著名人のニュースなどで出てくるよくわからない病名
- 身近で使われている健康ワード
勘違いしていた言葉はこんなにも!
本書自体が日常生活や報道でよく耳にする言葉だけをピックアップして「実はこういう意味なんだよ」と正してくれているのですが、その中でも「そうだったんだ!」と思ったものを数例ピックアップします。
- 意識は不明かどうかではなくて「意識レベル」で見る
- 「免疫力」は存在しないし、免疫を数字で評価もできない
- 重体と重傷の使い分けもない
- 完治の概念は存在しない
- 緩和ケア≠末期癌
タイトルにもある「がん」「ガン」「癌」の使い分けは個人的にはあまり興味なかったので省略です。最近の医療ドラマだと「意識レベル」というセリフを聞くようになりましたし、緩和ケアについては他の本も読んで多少理解していましたが、誤解してるものばっかりでした。
いかになぁなぁな理解をして言葉を使っているか思い知らされますね。
知ったふりが一番危険
この本のいいと思ったところ
- 日常生活で使うほとんどの健康・医療に関わる言葉の理解が正される
- 医療現場と実生活社会の認識ギャップがわかる
医療現場では使われていないけど、実生活ではすでに浸透していたり、双方で使われているんだけど意味合いが違う言葉もたくさん紹介されています。
知ったかぶりで日本語を話したくない人には必読です。
本書の内容に関連して思ったこと
本書でも紹介されているコードブルーや白い巨塔など認知度の高いドラマによって「病院では総回診があんな感じで行われるんだ」「ステージ4になったら終わりだ」といった決めつけ理解が進んでしまってます。
そうそう使う単語でもないですが、実は違ってるんだよと後で赤っ恥を書くならちゃんと正しい意味を理解して使いたいです。あまり慣れていない言葉こそ「実際のところはどんな意味なんだろう」と興味を持って調べる癖があると◯ですね。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- 言葉は正しく理解して使いたい
- 知ったかぶりなことがないか洗い出したい
常に学びの姿勢を持って日常生活のあらゆることに触れられると思考停止の理解をしなくて済みます。医療用語だけでこんなに誤解があると他の分野の言葉はどうなのだろうかと気になりますが、それはまぁおいおい解消する方向で行こうと思います。