この記事のもくじ
今回紹介する本
『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門』です。
FIREを目指している人で三菱サラリーマンさんを知らない人はいないでしょう。
- 三菱系列の会社に就職したその時から今でいうFIREに目標を定め
- 手取り収入の8割を全て高配当株に投資、配当金も再投資して
- 20代でFIREを達成
というとんでもないかたです。自分は毎日三菱サラリーマンさんのブログ↓をチェックしてはモチベーションにしています。
ブログでも一般層向けの投資に関する相談への回答(例えば一括がいいか積立がいいか、とか、高配当投資にはVYMがいいのかSPYDがいいのかみたいな)や相場情報、日々の生活を紹介してくれているので「わざわざ本買わんでも・・・」とも思っていたのですが、本だからこそ書いてくれている情報があるというのもあるあるなので読んでみることにしたわけです。
- 私が早期セミリタイアをめざし 投資手法を確立するまで
- 支出を最適化し、 高配当・連続増配株投資を始めよう
- お金自動発生マシンを組み立てよう
- お金自動発生マシンを強化する
- 資産形成は目的ではなく手段
差を生むところは紙一重
自分が「この考え大事!」と思ったのは投資術ではなくて支出最適化(三菱サラリーマンさんは節約という言葉よりもポジティブなイメージにつながるようにこのいい回しをしています)術です。
この中にはコンビニでは買い物しないとか格安SIMを使うというありふれたものも当然のごとくで紹介されていますが、「タバコを買わず、タバコ株を買え」があります。その発想はなかった!
よくよく考えたら当然っちゃ当然なのですが人がよく浪費・無駄遣いしてしまう対象というのはイコールたくさんのお金がその業界なり会社に入るってことです。タバコ業界は中長期的には微妙かもしれませんが、少なくとも現代においては
- 一定数の人がタバコを吸うためにお金を投じる
- そのタバコを販売している会社(有名どころはJT)は安定した収益を上げる
- その会社の株を持っておけば値上がりないしは配当を恩恵を受けられる
というなんともわかりやすい構図が出来上がっています。タバコを吸う側だとどんどんお金が消えていき、その代わりにタバコ株を買っておけばキャピタル・インカムゲインの恩恵を受けて資産が膨らむという格差発生そのものです。じゃあその上でどちらを選ぶかって話ですね。
本書ではタバコだけを取り上げていましたが、上述のように何にでも当てはまる話だと自分は思っています。要は不特定多数の人が安定してお金を投じる製品なりサービスを提供している企業の株主になっておけば、甘い蜜の一部をいただけると。その結果が現在のアメリカでいうGAFAMもそうですし、連続増配をずっと続けているコカコーラとかP&Gといった企業も然りです。
日本はそれこそJT以外だと花王くらいしか思い浮かびません。長期的に日本社会で名前が通り続けているといえば電機メーカーくらいです。
これは安定して配当金を積み上げたいという著者ならでは考え方かもしれませんが、別に高配当株に縛らずとも
- 自分がお金を消費して経済を回す側として貢献するのか
- 世界経済の株主になって(=インデックス投資)、他の人が経済を回してくれている恩恵を受け取る側になるのか
と考えれば投資のやる気も多少じは出るってもんだと思います。もちろん、世の中全員が働かなくなったら企業が立ち行かなくなって巡り巡って投資していたインデックス連動商品が大変なことになるので、そういうことを言ってるわけではありません。少なからずの消費は必要ですし。
あくまで消費するだけの立場に甘んじるのか、どうせ消費するならその恩恵も受け取るようにするのかと考えればもう少し柔軟かも。
三菱サラリーマンさんは相応の収入があったからこそ「手取りの8割を投資にまわす」ことをしていてもある程度の生活ができていたと推察します。同じ手取り8割の投資でもこうですから。
- 手取り300万円のひとなら投資以外に60万円使える
- 手取り600万円のひとなら投資以外に120万円使える
- 手取り1000万円のひとなら投資以外に200万円
- 手取り2000万円のひとなら投資以外に400万円使える
とはいえ、できる範囲での支出最適化は誰でもできますし、何よりいくら収入があっても強い意志がないと実行できません。その強い意志を以て実践されていた経験から自分のような一般ピーポーが学べること、学ぶべきことはありますね。