この記事のもくじ
はじめに
楽天経済圏の一つ、楽天銀行。
楽天銀行を保有するメリットといえばネット銀行であることで受けられる恩恵(利用状況に応じたATM利用や振込手数料の減免)に加えて
- 資産運用を前提とする場合の楽天証券との連携機能(マネーブリッジ)
- 上記による普通預金金利の優遇措置0.1%
- ハッピープログラムによるポイント進呈
- 楽天カード引き落とし口座への指定
- 投資信託の保有残高 etc…
があります。資産運用はしていないけど、0.1%の金利に魅力を感じて形だけマネーブリッジを登録している方もいるのではないでしょうか?
が、2022年4月にまたしても??サービス条件が変わることになりました。ということで今回は4月からの変化点について紹介します。
楽天銀行サービスの変化(改悪)点はこれ
4月から変わるポイントは以下の2つです。
- マネーブリッジを連携した場合の楽天銀行の普通預金金利は残高300万円を超えた部分を対象に0.1%から0.04%になる
- 投資信託の保有残高に応じて毎月貰えていたポイントは毎月進呈ではなく1回きりの進呈になる
普通預金金利の優遇が0.1%から0.04%へ
- これまで・・・預金残高に関係なく0.1%
- これから・・・預金残高のうち300万円までは0.1%、それ以上の残高に対しては0.04%
となります。例えば楽天銀行の普通預金に1000万円を預けていた場合、これまでは1000万円の0.1%で毎年1万円貰えていたのが300万円*0.1%+(1000ー300)*0.04%=3000+2800=5800円になります。
つまり、預金残高が300万円を超えていない楽天銀行ユーザーには何の関係もありません。自分は該当しないというなら半分他人事として捉えてもいいでしょう。
投資信託の保有残高によるポイント進呈は毎月から1回きりに
これまでは投資している商品(の信託手数料)に応じて保有残高10万円ごとに3〜10ポイント毎月貰えていました。
これが毎月ではなくなるのと同時に、以下の通りもう少し条件が厳しくなります。
例えば、保有残高(評価額)が全く100万円から変わらないとしましょう。これまでは商品に応じて毎月30〜100ポイント、年間で360〜1200ポイント貰えていたのが1回きりの100ポイントになります。どう考えても改悪です。
改悪はあっても改善はないと心得る
表向きの理由を考える
100歩譲って好意的な見方をするならば以下の意図が考えられます。
- 普通預金ばっかりで蓄えていないで日本人には積極的に資産運用してほしいという親切心??
- 投資は一回やったら終わりではなくて積み上げていくことこそ大事(1回きりしかもらえなくすることでわからせる)
100歩譲れば、ですが。
実際はおそらくこう
そんな良かれな気持ちは楽天グループにはないでしょう。実際は次のような狙いがあると思います。
- 楽天モバイルの事業でお金がかかっているのでポイント付与はとにかく削減したい
- 普通預金金利にしろハッピープログラムにしろ、たくさん投資させる方向に持っていけば手数料で儲けられる
楽天はボランティアで事業やってるわけじゃないので当然です。そもそも投資信託の商品保有してるだけでポイントがもらえるって話がうますぎるとは思いませんか?
ポイントはあくまでおまけ、目的にしない
大事なのはこれですね。クレジットカードの還元率とかスーパーの特売なんかもそうですが、あれを普通だと思ってしまうと還元がないとか特売でない状態がおかしいかのように勘違いしてしまいます。
クレジットカードで還元を受けられているのは自分が買い物をした店舗がクレジットカード会社払っている高い手数料(3%越えなんて話も)やリボ払いの手数料が原資になっていますし、特売は他の商品も合わせて買ってもらうためのいわば「餌」です。
今回の事例でいえば楽天が自社の利益を確保するために利益の一部を食い潰すみたいなことをしていたわけですので流行りの言葉で言えばサステナブルでないのです。
これを知っておけばあれこれ新規サービスにホイホイついていくこともないですし、真の価値を推し測って然るべきサービスを選択する眼が養われます。こういったサービスには過度な期待をしないで利用するようにしましょう。