この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『「社会を変える」お金の使い方』です。
みなさんはお金をどのように使っていますか?大きくは
- 消費⇨日常生活でどうしても必要な家賃や食費etc…
- 投資⇨株とか本とかセミナーとか何らかリターンを期待できるもの
- 浪費⇨いわゆる無駄遣い
この3つに分けて考えているかと思いますが、第4の選択肢としての「寄付」を検討したことはあるでしょうか?寄付というと大富豪がやるもの、企業がやるものというイメージがあるかもしれませんが海外は寄付の市場が大きく、他方日本は小さいという現状があります。
本書は社会を動かす、自らの意思で自分のお金の使われ道を決められる方法としての寄付の有用性を著者の経験と併せてアピールしている本です。
- 病児保育のNPO事業
- 寄付市場への参画
- 寄付によるひとり親サポート事業
- 企業にとって寄付をする価値
- 寄付は立派な投資
- 寄付が当たり前の社会で実現すること
- それぞれの立場でできること
寄付はノーリターンではない!こんなメリットがある行為
寄付というと何の見返りもなくただお金を渡す行為(それの行動版がボランティア?)と思っている方もいるでしょうが、本書では寄付のメリットとして次を挙げています。
- 企業の場合は単なる社会的責任の行使だけでなく広報活動になる
- 個人の場合は他人に寄付する余裕があるという自己肯定感をうむ=ラベリング
- 国にお任せではなく主体的に自分のお金がどう使われて欲しいか考えて使う(払う)ようになる
特に目から鱗はおたふく風邪にワクチンがあること。てっきり一生に一回はなるからどうせなるなら早めになった方がいいという理解でした。
例えばふるさと納税は返礼品がついている点、純粋な寄付とは呼べないかもしれませんが「どうせならこの街に活用して欲しい」と思って税金の支払い先を選択できる寄付行為です。
3.11の日に毎年Yahoo! JAPANがしている「3.11で検索すると10円寄付します」みたいなのも寄付行為です。Yahooは「こんないいことやってる会社なんだ!」というイメージ向上になるし、個人は検索しただけでいいことやった感が得られるし被災者にはお金が届くしでwin-win-winです。
「余裕ができたらする」は「いつかする」と同レベル
この本のいいと思ったところ
- 寄付を集める側の苦労がわかる
- 自分にリターンがある行為として寄付を理解できる
著者は本書前半で書いているとおり、自分がNPO法人を運営する過程で事業継続、発展のために寄付市場に参入した経緯があります。元々は「寄付なんて・・・」って思ってる多数と同じだったということです。
その上で寄付をしてもらう上でのハードルとかどうメリットを実現しているのか実体験を通してわかる点、良いと思いました。
本書の内容に関連して思ったこと
純粋な寄付は?と言われるとしてません。ふるさと納税くらいです。
ただ自分が他の人のふるさと納税のやり方と違うと言えるのは元が取れるかどうかではなくて市町村ありきで選択している点です。
どうせ払うならいいお肉を、とか少しでもお米がたくさんもらえる市町村を、というのもルールの範囲内ですから何にも問題ありませんが元の制度の思想を考えたときにそれって本質からずれてない?と思うのです。
また、余裕ができたらするとか年収がもう少し増えたらするといってる方。多分一生しないのでは?
1万円しろとか1000円しろといってるんじゃないのに無理っていってるってことは「1円すら寄付する余裕ありません」てことですよね?そのくせ誰かさんのお金プレゼント企画には応募したり、「給付金よこせ!」って万が一言ってるようなら矛盾もいいとこです。
これはあくまで個人的な感想というか思いです。みんながみんなこうとは思ってませんよ。
GIVEをしないでTAKEだけ。自分はなりたくないなぁ・・・。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方におすすめです。寄付っていうと少し硬く聞こえるので誰かにプレゼントを贈るのでもいいと思います。気軽な「寄付」から検討してはどうでしょうか?
- 寄付に興味がある
- 有意義なお金の使い道の選択肢を増やしたい