この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『「ゆっくり」でいいんだよ』です。
ゆっくりのんびり生きたいけど周りにはそんな人、そうそういません。自分も将来的には“ゆっくり”持続可能な形で仕事なり社会貢献なりしたいと思っていますが今はできておらず、そのイメージも湧いていないのが現状です。
本書は成長ありき、物質消費ありきの現代社会に疑問を投げかけ、本来の時間の流れ(自然時間)に沿った生き方をしていこうぜ!というメッセージを発信しています
- 現代社会の問題点
- 時間に忙殺される日々
- 社会の時間の流れが自然時間を逸脱している
- 「速ければ速いほどいい」という思い込み
- スローライフへの回帰
- ナマケモノに学ぶ
- Moreからlessへ
- ないものねだりからあるもの探し
時間を追い求めて失ったもの
例として以下に示したあらゆる技術進歩は突き詰めると時間の節約に寄与していると言えます。本来なら浮いた時間で各人がやりたいこと、やらねばならないことに時間を割ける、はずなのですが実際はそうなっていないと感じることはないでしょうか?
- スマートフォンやPCなど各種デバイスの開発⇨情報探索の時間
- 新幹線・飛行機、高速道路整備⇨移動
- IT化⇨単純作業、各種手続き
- 家電⇨家事
スマホやPCの登場、高機能かですぐに電車の時刻表や施設の開館時間、手続きに必要なものなど情報がすぐ手に入るようになりましたが、実態は貪るようにSNSを見ている人の多さ。
新幹線や飛行機の整備で日帰りで出張できるようになった、けどその代わり1日のスケジュールはキツキツに。
IT化が進んで同じ仕事を少ない時間でできるようになったら空いた時間で別の仕事をねじ込まれて労働時間の劇的な削減にはなっていない・・・。
なんのための進歩だったのか、考えさせられます。便利になったのは確か。快適に移動できるようになったのも確か。でも時間のゆとりは増えてません。
進歩やもっともっとはキリがない
この本のいいと思ったところ
- 本来の人の生き方を再考させられる
- つい忘れがちな時間に関する問題に気づける
進歩すること自体は好ましいことと思う一方で際限のなきものであることも事実。
進歩のスピード感とゆとりの追求、バランスを持った成長が必要なのだろうと思います。
本書の内容に関連して思ったこと
MOREからlessへーーー。
これは別に読んだ「More from LESS 資本主義は脱物質化する」とつながります。成長はしつつも従来の大量生産、大量消費を改める。現代なら可能です。
スローライフ=原始時代みたいな生活をイメージするのは行き過ぎ感を覚えます。持続可能な成長は維持しつつ、少しペースダウンするという塩梅が一人一人がゆとりを持ってやりたいことにフォーカスできる社会の実現の要素になり得ます。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中9点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- スローライフしたい
- 目まぐるしい現代社会にはうんざり
情報がコロコロ変わってついていけない、そんな人は本書を通じて自分で時間のコントロールをする術を身につけられるといいですね。