この記事のもくじ
消費者物価指数とは
物価の変動を見る指標
消費者物価指数という言葉。時折ニュースでもCPI(Consumer Price Index)という略語で出てくることもあります。総務省統計局(e-stat)では消費者物価指数をこのように定義しています。
人によって何にお金を使うかは異なります。そしてそれを毎年同じように使うかといえば使いません。同じ「年に2回旅行に行きます」という人でも近場に行くのか遠くに行くのかで絶対額は違いますし同じ目的地だとしてもどう行くかで変わります。なので個々人の事情だけを切り取ると全体で慣らした時に「そもそも物価ってどうなってんの?」というのがさっぱりわかりません。
そこで消費者物価指数というわけです。「消費構造を一定のものに固定」することで前提条件が固まります。全く同じもの、同じサービスだけを対象に価格がどう変わっているかをモニタリングしていけば物価が変わっているかどうかは見当がつきますよね。
今回の記事ではデータを取れるMAXの範囲で日本の消費者物価指数がどの程度変わってきているか見ることになします。
データでもわかる「失われた〜〜年」
安定した物価上昇は1990年まで
こちらは1970年を100とした時の物価の推移です。対前年の変化率も棒グラフで示しました。
失われた20年とか30年とか、もはや失われた状態がデフォじゃねえかとおもいますがここ30年は見事にほぼ横ばいです。アメリカは平均3%と言われているのに、です。
しかも、消費増税込みで~
ここ、結構ポイントなのですが消費者物価指数には消費税も含まれています。失われた30年で見ると
- 1988年まで:消費税0%(つまりなかった)
- 2022年現在:消費税10%(食料品などは8%)
です。この両者の物価指数を比較すると2021年は1988年よりも17.4%上昇しているのですがこのうち10(軽減税率を一旦無視すると)は消費税の影響で、残り7.4が真の物価上昇です。30年もあって真の物価上昇は7.4%しかしてないのです。年率換算でいくらなのか・・・。
物価が17.4%になったから世の中のお金の周り(売上とか給料とか)も17.4%増えたんでしょ!?と思いきやそれは間違いで、うち半分くらいは国が回収してることになります。これに加えて30年前と比較したら社会保険料は一丁前に上がってますから、そりゃお金の面で日本人が貧乏になっていると思われても、感じられても仕方ないでしょう。
日本の場合は真のインフレよりも「国のせいで」インフレしそう
きっと日本政府のことですから消費税率はもっと上げていくでしょう。15%とか20%とかですね。下手したら消費税率の分で「2%の物価上昇を達成しました」とか馬鹿なことを日銀とかが言い出しそうな気がしてなりません。
国のことを考えたら真の物価上昇に導いてそれこそ年金制度の「マクロ経済スライド」を発動させないといけないのに今のところは全く機能してません。
- 例えば物価(給料)が5%上がった⇨年金は3%しか上げない
- 例えば物価(給料)が15下がった⇨年金も1%下げる
別に消費税率上げなくなって、極端な話今よりもお金の動きが2倍になれば消費税の収入も勝手に2倍になるんだし所得税に関しては累進課税ですから2倍以上の増収になります。
・・・
という思考回路になってなさそうなのが残念ですね。個人的には減税してくれればそれに見合ったお金を出費するお約束はする(=経済をグルングルン回す)のでそういう考えの人がセンキュに出てくれないかなぁと願うばかりです。
※自分は能無しなので自分が出馬するというは万に一つもありません。