この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『ユニバーサルデザインでみんなが過ごしやすい町へ 1』です。
本書の概要
国土交通省の資料によれば、ユニバーサルデザインとはこう定義されています。
似た言葉にバリアフリーという概念がありますが、こちらはすでに一部の方にとって障害になるような設計がされているありきでそれらに対処しにいくという違いがあります。
さて、今のところ「普通」に生きられているのであればユニバーサルデザインであるかどうかを意識する必要はありません。が、これからもそうであるという保証はあるでしょうか?
- 足腰が弱くなって階段の上り下りがつらくなるかもしれない
- 歳をとって視力が落ちるかもしれない
- 骨折して松葉杖をつきながら移動しないといけないかもしれない
障害があるかどうかは分かり易い例ですが、別に障害じゃなくても「普通に」生活できなくなるリスクは山ほど潜んでいます。そのときにはきっとユニバーサルデザインのお世話になることでしょう。
本書は街中でも特に公共交通にあるユニバーサルデザインと付随する注意事項、その場で働いている人の生の声が紹介されています。いつお世話になるかわかりませんし、自分がお世話にならなくても他人が使っているところを邪魔しないようになるべく知っておきたい知識です。
- 駅・電車にあるユニバーサルデザイン
- バスにあるユニバーサルデザイン
誰もが使う、見るアレもユニバーサルデザイン
本書は電車とバスしか紹介していないので種類少なすぎなんですが、その中から電車にまつわるユニバーサルデザインとして以下紹介されています。
- 路線図の色分け:色を見分けづらい人への配慮
- 自動改札機:車椅子、ベビーカーでも通れる幅に設計
- 乗車位置案内:色分け表示
自分は関西に住んでますのでよくJR西日本の路線を利用するのですが、乗り場案内は色使いだけじゃなくて○印とか▲印も付いています。電光掲示板や駅の放送でも「○印の1番から10番でお待ちください」というようなアナウンスがされていますね。
これを読んで思ったのは「色分けしたところで色が見分けづらい人からしたら根本的な解決策にはならないのでは?」だったので記号で乗り場をわけているJR西日本のやり方が有効に感じます。
そもそも目が見えない方だと記号を分けても意味はないですが、加えて最近はどの鉄道会社も路線名(宝塚線ならG〜〜、神戸線ならA〜〜といった具合)に名前が付いているのでかなり丁寧な案内になったなとは思いますね。
あとがき
存在を意識すると自然と使い方も改善される、かも
身近にあるユニバーサルデザインを知っておくと言われなくてもその場所場所でしたほうがいいこと、しない方がいいことを意識した行動ができるようになります。
今はダイバーシティ(多様性)が尊重される社会です。自分を尊重してほしい、優しくされたい・・・、そう思っているならまずはこうしたことを知って、自分が他人に配慮した行動が取れるようになりたいですね。