この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『奇跡の小売り王国「北海道企業」はなぜ強いのか』です。
ニトリ、ホーマック、ツルハドラッグ、セイコーマート・・・。北海道にルーツのある企業はこれだけあります。日本の北の端から全国へ広がるのって驚きですよね。しかもどれもものを売る業種です。ものを売るときには規模が大事、とするとローカルな環境はネガティブに受け取られそうですが、なぜ北海道から全国に広がるのか??
本書ではなぜ北海道から全国へ羽ばたく企業が生まれ、しかも成長を続けているのか を合理的かつ論理的に解き明かしていこうという内容になっています。
テキスト
- 北海道から全国へ
- 1998年の<北海道現象>
- <危機>を乗り越えてーツルハとニトリの並走
- <流通革命>の旗手
- 究極の<3極寡占市場>
- セブンイレブンも勝てなかったコンビニ
- ハブ・アンド・スポーツー北海道企業の未来
自社完結こそ最強?セイコーマートが北海道で強い理由
普段みなさんはどこのコンビニをよく使うでしょうか?セブンイレブン?ローソン?ファミリーマート?ミニストップ?それともポプラとかデイリーヤマザキ??
ポプラもローカルですが、そんな中でも北海道のコンビニといえばセイコーマート、これには異論がないかと思います。自分は今年3月に函館に行ったときにはラッキーピエロも楽しみでしたが、セイコーマートに行くことも楽しみにしていたくらいです。セイコーマートのすごいところは
- 北海道ではセブンイレブンよりも店舗数が多い
- コンビニ部門の顧客満足度調査で幾度もトップに輝いている(セイコーマートじゃないときはセブン)
こんなことです。コンビニといえばフランチャイズ展開してあちこちに工場を作って効率よく経営〜〜というイメージに対してセイコーマートは北海道という広さはあるものの交通インフラなどの条件は本州よりも悪い地域です。
なぜそんなところでセブンイレブンを凌駕する事業展開ができているのかーーー本書では次のように指摘されています。
- セブンを上回る変化先取り力
- セブンの持たざる経営の対極、持つ経営
セブンを上回る変化先取り力
確かにセブンイレブンといえばコンビニ〇〇の先駆けをよくやってんなぁとは思います。成功しているかどうかは置いといて。
対してセイコーマートの変化先取りは何かというと自社ブランド、店内調理コーナーの拡充、そしてnot24時間営業。よくぞローカルなコンビニチェーンがやってるなって思います。
セブンの持たざる経営の対極、持つ経営
大手のコンビニチェーンは自前の店舗はあまり持ってなくて、例えば「いくらかお金を払ってくれたらセブンイレブンっていう看板で営業してもいいよ!」というような店舗展開をしてますよね。だからオーナーと揉めるだのなんだのっていう問題が近ごろ起こっているわけでして。加えて本書では物流も外注していることに言及しています。
セイコーマートはというと自社内で物流システムを持っているそうです。この時点で「なんだかんだ体力あるな」ってなりますね。これにより地域ごとに最適な配送をして余計な運送費用がかからないようにしているとのこと。
それくらいできるならもっと大きな街をターゲットにすればいいのにとも思いますが、北海道という土地だからこそなんとかしないと経営できないぞといういい意味での縛りがあるのかもしれません。
あとがき
贔屓は良くないですが、地方発で頑張っている企業、事業者は応援したくなりますね。
関西では見かけないツルハもホーマックも東北(仙台)にいたときには大変お世話になっていたので、また積極的に利用できる時が来たらいいなと思います。