【2022年読書レビュー】日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか

まえがき

今回紹介する本

『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』です。

本書の概要

国民民主党が2021年、2022年の両方で政策パンフレットに載せているグラフです。

実質賃金は名目の賃金変動から物価変動の分を差っ引いたものです。たとえば給料100で物価1から給料200に増えても物価も2になったら給料200でできることは給料が100だった時と一緒なのでどちらも実質賃金は一緒ですよね。

さてここ日本は上のグラフ見ればな通りで30年ほど実質賃金が上がってません。そのせいか給料を上げるよりは生活費を切り詰めるとか節約を徹底するといったベクトルにばかり進んでいましたがいよいよ円安により日本円がしょぼい時代が到来しています、

そうじゃなくたって元気いっぱいな現役世代が使えるお金が増えない限りは経済も右肩上がりにならないってものです。本書では4つの「低」に切り分けて日本の給料が上がってこなった理由について考察しています。

これを読んだのは2022年7月ですが、本書ではロシアの侵攻や円安傾向も織り込んでいます。

本書の構成
  • 日本病を引き起こす4つの「低」
  • 低所得
  • 低物価
  • 低金利
  • 低成長
  • スクリューフレーション
  • 下り坂の日本を上り坂にする方法

知ってる?スクリューフレーション

自分が知らんかったんでピックアップしました。物価が上がるのがインフレ、物価が下がるのがデフレ。通常インフレデフレと呼ばれるときは給料の増減も連動しますが給料上がらないのに物価だけ上がる状態をスタグフレーションといいます(まさに今起こってる)。

そこに加えてスクリューフレーションという概念もあるそうです。定義はこちら。

  • 締め付け(Screwing)と物価上昇(Inflation)を掛け合わせた造語
  • 具体的には中低所得者を締め付けるインフレを指す

なぜ中低所得者を締め付けるのかというと中低所得者は全体の支出に占める生活必需品の割合が大きく、かつ、スクリューフレーションで起こるのは生活必需品の物価上昇だからです。

そもそも手を出す人が少ないから報道されないだけなのかもしれませんが食品やガソリンの値上げがニュースになることはあっても宝飾品や旅行の代金が高くなったとは聞かないですよね。本書では物価変動のグラフを示しているので視覚的に理解できます。

あとがき

日本はどうかというとまさにスクリューフレーションが起こっています。

物価が上がる状況は元々目指していたのでそれは良いとしても給料上がらないのがやっぱりきつい。と言うことで給料が上がる方向にいかに持っていくかを政府にはぜひ考えてほしいです。もちろん、それに相応しいスキルを身につけていくのは当然です。

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