この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『結局、年金は何歳でもらうのがトクなのか』です。
本書の概要
超適当かつ超悲観的な損益分岐点はこの記事を作るときに弾きましたし、それ以外にも「こんなシチュエーションってどうなんだろう」と頭で考えることはちょこちょこあるのですが、如何せん決めないといけない前提条件が多すぎて「もうええわ」となって試算を止めてました。
そこへこれです。今の現役世代は払い損世代と言われる中であろうとも「自分は払い得で死にたい」と思ってる層は一定数いらっしゃることかと思います。そして損得を決める重要要素が1年にいくら年金がベースとしていくらもらえるかもそうですが、なんと言っても何歳から受け取るかでしょう。なぜなら受け取りを始めるタイミングで受給額が変わるからです。
そういう方にうってつけなのが本書でしょう。本書では可能な限り代表的なケースに対して全体論としてこうするのが良いのではないかという指針を示してくれていますので、あとは自分でアレンジすれば及第点には十分達する年金受給シミュレーションが出来上がります。
- 年金大改正「何が、どう変わったのか」
- 会社員の年金「何歳からもらったほうがトクか」①
- 会社員の年金「何歳からもらったほうがトクか」②
- 会社員の年金「何歳からもらったほうがトクか」③
- 自営業・フリーランスになったら「何歳からもらったほうがトクか」
あくまで指針、な著者からの推奨
本書では色々変動する因子はあるけれでも一般側としていくつかおすすめしていることがあります。
- 受給するなら70歳「プラス12年の法則」
- 特に夫婦なら妻の繰り下げはマスト
受給するなら70歳「プラス12年の法則」
65歳からの受給が基本なわけですが、これより受給を1ヶ月遅らせるごとに受給額が0.4%ずつ増える仕組みになっています。これが本書タイトルにもある「何歳でもらうのがトクか」迷ってしまう理由になるんです。受け取りタイミングが決まってれば、あとは
- もらえる金額が増えるように現役時代の収入を上げるなりなんなりする(今の仕組みと一緒と仮定)
- 長生きする
しかありませんからね。プラス12年の法則というのは65歳よりも遅く受け取りを始めた時に、65歳から受け取りを始めた人に総受給額が追いつく年齢のことを指しています。70歳から受け取るなら82歳、75歳からなら87歳というわけです。
著者が70歳受給をおすすめしているのは、今の60歳を前提とした時の予測寿命が85歳らへんに来ることを踏まえてのものです。
特に夫婦なら妻の繰り下げはマスト
夫婦の場合は世帯収入としてどうするのがいいか考えねばならないので、個人よりも話が厄介です。ここでも著者は70歳受給を基本とされておられますが、夫婦なら妻は絶対に繰り下げたほうがいいとしています。
これは平均寿命通りに夫が先に死んだ場合に世帯としての収入は絶対下がってしまうので、経年の落差が大きくならないように
- 夫だけがもらっている期間⇨夫婦ともにもらっている期間⇨妻だけもらっている期間
というステージわけをする感じです。あとは同じ夫婦でも年齢差や貯蓄額、就業能力によって対応が変わってきます。
最後は自分で考えて
結局こう言ってしまっては元も子もないですがヒントは本なり雑誌からもらうにしても、最後は自分で考えるしかありません。
- いつまで働くか
- 自分の収入か
- 現役の期間中にいくら貯めておくつもりなのか
- 年間いくらくらいで生活したいのか
考えることはたくさんあります。他人がこう言っていたから、は失敗する元です。自分の頭で考えて自分で決めて行動してこそ後悔も心残りもないというものです。