この記事のもくじ
- 恒大集団の影響が気になるかた
- そもそも自分が持っている銘柄に恒大集団が入っているのか知らないかた
はじめに
9月ごろから中国の不動産会社、恒大集団がデフォルト(債務不履行)になるだのならないだので投資界隈が賑わっています。
不動産がイケイケどんどんだったのかしりすぼみになって景気が悪くなった事例として
- 日本⇨バブル崩壊
- アメリカ⇨リーマンショック
があるので「中国も同じ歴史も踏むのか・・・」という声がちらほら聞かれます。そうなると投資をしている人からすると「自分の株が紙切れになってしまうのでは??」と不安に思っているかたもいるでしょう。
かくいう自分はこのニュースを見たときに「ところで新興国株式の投資信託に恒大集団って入っているのか?」と疑問に思ったので確認することにしました。
そこで今回紹介するのは代表的な新興国株式の投資信託に入っている恒大集団の比率とそれに対する自分の雑感です。
主要な新興国株式インデックスと恒大集団の構成比率
テンプレ
emaxis slim 新興国株式
みんな大好き!emaxis slimシリーズの新興国インデックスから紹介です。ベンチマークはMSCIエマージング・マーケット・インデックスがベンチマーク(基準となる指数)の投資商品です。
ここからは2021年4月時点の運用報告書をもとにデータを紹介します。
純資産総額
60,656(百万円)です。1年前と比べると倍以上になっているのでそれだけ資金流入があったのだと推察されます。
上位の組み入れ銘柄
この指数の場合は中国と台湾が主要な投資先となっています。上位10銘柄は次の通りです。
- TSMC(台湾)・・・世界トップクラスの半導体製造のメーカー
- テンセント(中国):SNS、インターネットサービスを提供
- アリババ(中国):小売企業。アリペイが有名
- サムスン(韓国):家電、電子部品メーカー
- 美団(中国):クチコミサイトや配車サービスを提供
- ナスパズ(多国籍企業):インターネットサービス
- 中国建設銀行(中国):社会インフラへの融資が主
- リライアンスインダストリーズ(インド):ものづくりのコングロマリット
- ヴァーレ(ブラジル):資源開発
- jdcom(中国):ECサイトを運営
知ってる企業もあればそうでない企業もあるかもですが、自分は知ってるほうが多かったです。「新興国」と言っても伸び盛りの国々なので当然か。
恒大集団の構成比率は?
運用報告書をザーッと見ていくと・・・。ありました!
赤線部分の「CHINA EVERGRANDE」が今回ネタになっている恒大集団です。4つ並んでいる数字は左から
- 前期末の株数
- 当期末の株数
- 香港ドルでの評価額
- 円での評価額(一千円)
です。一番右の数字はというと66898なので6689万8千円です。これを純資産総額で割ると
66.898/60656=0.11%です。ということで万が一破綻して紙切れになった場合はその時点で評価額も0.11%落ちることになります。
SBI新興国株式インデックス(愛称雪だるま)
emaxis slimシリーズと双璧の新興国投資信託の商品です。FTSEエマージング・インデックスがベンチマーク(基準となる指数)の投資商品です。
と言いつつ、目論見書をみたらわかりますが、この商品は略称でSCHEというFTSEエマージング・インデックスに連動するETFを購入しています。なので系統としては楽天VYMとか楽天VTIと同じような位置付けです。
これについてはチャールズ・シュワブで公開されているポートフォリオを参照しています。
純資産総額
923(百万ドル)です。円換算が面倒だったのでそのままのせてますすみません。ざっくり930億円くらいで、VOOとかIVVと比べてしまうとスケールちっちゃめに感じてしまいますね。
上位の組み入れ銘柄
MSCIと基本的には同じような並びになります。
- TSMC(台湾)
- テンセント(中国)
- アリババ(中国)
- 美団
- リライアンスインダストリーズ(インド)
- インフォシス(インド):IT企業
- 中国建設銀行(中国):社会インフラへの融資が主
- HDFC(インド):金融系だけど金融機関ではない
- ガズプロム(ロシア):天然ガスの生産供給。自分の中ではドイツのサッカークラブ「シャルケ」の胸スポンサーのイメージしかない
- ヴァーレ(ブラジル)
FTSEだと韓国を新興国扱いしていない(つまり先進国インデックスには入ってる)のでサムスンが入っていません。
恒大集団の構成比率は?
ポートフォリオをスクロールにスクロールしてようやく出てきたevergrande。比率はなんと0.01%!
というのはMSCIは4月時点の時価だから。4月から10月にかけて株価が80%ほど下落してしまっているので
- MSCI(4月時点):0.05%
- FTSE(10月時点):0.01%
なのは辻褄が合いますよね。
目先のニュースにあくせくしないでのんびりホールド
恒大集団が仮に破綻したら連鎖的に影響を受ける会社もあるでしょうから単純に今からパーになっても全体の0.01%分で全然影響ないよ!とは言いませんが、連鎖的な影響が出るまでは気づかないくらいのウエイトだということがわかると思います。
ちなみに年金を運用しているGPIFも96億円分の株を保有していることが報道されましたが、全体としては約200兆円分のお金を運用しているので0.005%分です。もはや微差。
これにブーブー言っているかたはここ1週間くらいでしれっとNASDAQやS&P500が1〜2%ちょろちょろ落ちていることにも当然文句を言って然るべきと思いますがどうなんでしょうね。
特に資産運用しているとこういうニュースはショッキングに移りますが、
何十年も投資信託持ってたらそこに含まれている会社の1つや2つ潰れてて自然でしょう。
今回のは表面上で扱われているだけで、報道すらされずに構成銘柄から外される会社だってあるわけですからいちいちめくじら立てるだけ損ってものです。
どっちみちここ1年くらいは株価上がりすぎ感があるので、自分としてはここらで調整入って欲しいなと思います。そうしたら買い増しできるので!
それくらいの気持ちで買ったものは持ちっぱなしにしておくのが吉だなぁと報道見ながら思いました。今回は以上です。