日銀保有の国債が8749億円の含み損らしい

まえがき

11月28日にブルームバーグから出ていた記事です。我らが中央銀行、日本銀行の保有資産が損をしてるってまずいんじゃないか!!と思いたくなりそうな見出しです。

GPIFの損失の話は割と頻度多めでネットニュースに上がってきますが(プラスの時は上がらないけど)、日銀保有国債の話が出てくるのは初めてな感じがしますね。

というのも日銀保有国債が含み損を抱えているのは16年ぶりのことだから。そりゃわざわざニュースになんてしないですよね。

ちなみにこのニュースが本当か気になる方は11月28日に日本銀行から発表されている第138回事業年度(令和4年度)上半期財務諸表等についてをご覧ください。

8749億円の含み損というけれど

そもそも途中売却が前提ではない

そもそも立ち返ってみますと債券というものは

ある期間持ってくれてれば元本にプラスして利息をプレゼントします。

という類の商品です。会社が発行するなら社債、地方公共団体が発行するなら地方債、そして国が発行するなら国債です。株式と同様に発行主体が潰れたらパーなのは株式と一緒ですが、持ち続けてれば元本保証、というのは株式にはないメリットです。特に国債の場合は国が発行主体なので会社が潰れる確率、地方公共団体が財政破綻する確率よりもずっと低いです。もし国が破綻するなら国債云々どころじゃないですね。

とはいえ価格変動はします。例えば元値が10000円で1年間持ってれば100円もらえる=利回り1%の債券があるとします。もし銀行預金が1%とか2%になったら「じゃあ銀行預金の方がいいじゃん」となって誰も買ってくれなくなります。なので債券価格を下げないと買ってくれません。その結果10000円だったのが8000円とかになったらもらえる利息は100円で変わらないので利回りは1%よりもあがるということです。

日本国債も持ちっぱなしなら元本保証ではありますが、海外の金利が上がっていて「わざわざ日本国債買わなくてよくね?」状態なので市場で取引される時の価格が落ちてしまってるってことで日銀保有の国債が含み損を抱えているわけです。

でも日銀は途中から売るつもりで国債を買ってるわけじゃないし、なんなら自分達が国債を買う=世の中にお金を流すために買ってるようなものなので途中で売却する=お金を回収するなんて、日銀のスタンスからしてあり得ない話です。

絶対値は確かにでかいけど

8749億円、大きい金額です。これだけのお金があれば日本国民一人当たりに7000〜8000円の現金給付ができます、と言ったらしょぼく見えてしまいますね笑

さて、冒頭で紹介したリンク先を辿るとネットニュースの本文にも乗っかってる国債の元本と評価額を確認できます。こちらの通りですけれども元本が5455211億円(=545兆円)に対して8749億円の含み損です。

・・・

そう、比率で言うとたったの0.1〜0.2%のレンジの話ですよ。株式に投資してる方で「あぁ〜〜、今0.2%の含み損だぁ💦」てなる方いないでしょう。10%とか20%動いてワァワァ言うならわかりますけど。

8749億円という金額になるのはそもそも持ってる元本部分がデカすぎるからであって、パーセンテージで見ればそんな騒ぐことかいなっていう見方もあると思いますけど、どうでしょう。

どうせ見るならいい時も悪い時も。まずは自分の目で

GPIFのニュースが本当にわかりやすい例ですけれど、悪い時しかニュースにならないんですよね・・・。悪い時にニュースにするならいい時もふんだんに報道して欲しいもんですけど、人間はネガティブな情報に引き寄せられるそうなのでやむなしといったところ。

個人的には日銀が儲かっているかどうかはどうでもいいので今回を機に定期的にチェックしよう!とは思いません。

ただ、こういうニュースに触れる度に「ニュースって情報切り抜いて報道されるから自分で情報確かめに行かんとあかんなぁ。もっというとデータの大元を自分で見れないものは信用しないようにしよう」と省みています。

それで言うと自分は過去の含み損益がどうとか他の資産の含み損益がどうだったかについて言及してません。もし機になる場合は自分の目で見てみましょう。

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