この記事のもくじ
- どうしても銀行でつみたてNISAを開設せざるを得ない
- つみたてNISAは知ってるけど、どんな商品を買えるのか知らない
はじめに
つみたてNISAのおさらい
ここでも何度か触れていますが、一般ピーポーの長期的な資産形成をお助けする制度としてNISAというものがあります。
NISAには通称一般NISAとつみたてNISAの2種類が用意されており、一般的にはつみたてNISAがお勧めされています。つみたてNISAの概要は以下を参照ください。
- 定義⇨日本版の少額投資非課税制度(Nippon Individual Savings Account、略してNISA)
- 1年間に投資(新規購入)できる金額⇨40万円(“一般”NISAは120万円)
- 非課税で運用できる期間⇨最大20年間(途中で売ってもいいけど売ったらそれっきり、“一般”NISAは5年間)
- 新規購入できる期間:2042年まで
- 投資できる商品⇨金融庁が認めた商品
投資をするときはネット証券が鉄板だけど・・・
もう資産運用に手を出していれば1+1=2のレベルの常識ではありますが投資をするための証券口座は窓口がある銀行ではなくネット証券が推奨されます。これは以下のような理由からです。
- ネット証券で買うよりも手数料をたくさん取られる商品が多い
- 入出金の利便性やクレカ払いでのポイント付与サービスなどネット証券ならではの特典がある
ですが、ことつみたてNISAを開くのであれば銀行をチョイスしたからといって論外とは言えないのではないかと思います。というのも上記特徴のうちコレが効いているからです。
- 投資できる商品⇨金融庁が認めた商品
この条件の1つには保有時の手数料(信託報酬)が一定以下であることに加えて購入売却時の手数料がかからないことがあります。なので銀行がよく売っているぼったくり商品をつみたてNISAのハコモノの中では消費者に買わせられないのです。
その結果、2021年10月時点で金融庁に届け出られた=つみたてNISAで投資家に売ってもいい商品は201個だけです(参照:金融庁 つみたてNISAの対象商品)。
ちなみに、つみたてNISAで扱われている株式メイン&バランスファンドの括りでいうと楽天証券では2021年1月時点でこれだけの商品数があります。いかにつみたてNISAで篩にかけられているかが窺い知れます。
とはいえ、つみたてNISAの商品として認められたものの中で手数料が安いものを売っているのか高いものを売っているのか、そこの把握はきちんとしておくべきかと思いこの記事を書くこととしました。
前提条件
ベースは以下記事と同じです。参照するのがiDeCoかつみたてNISAかって感じです。
銀行ごとの商品比較
商品数
まずは商品数から見て見ましょう。201個のうち、幾つ買えるのか。
三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | りそな | ゆうちょ | |
国内株式 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 |
海外株式 | 3 | 2 | 1 | 2 | 4 |
バランスファンド、その他 | 5 | 1 | 1 | 1 | 5 |
合計 | 12 | 4 | 3 | 4 | 10 |
いやぁ少ない!冒頭で「つみたてNISAなら銀行でも・・・」と書きましたが(こう書いていた時点ではまだ各銀行で買える商品数調べてませんでした)、この商品数の少なさだけで自分ならナシですね。
よく言えば迷わずに済む、悪く言えば選択肢がありません。
国内株式
三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | りそな | ゆうちょ | |
商品名 | つみたて日本株式 (TOPIX) | たわらノーロード 日経225 | 三井住友・DCつみたてNISA・ 日本株インデックスファンド | Smart-i 日経225 インデックス | つみたて日本株式 (TOPIX) |
経費率(%) | 0.198 | 0.187 | 0.176 | 0.187 | 0.198 |
ベンチマーク | TOPIX | 日経225 | TOPIX | 日経225 | TOPIX |
オススメ度 | 4 | 2 | 1 | 2 | 4 |
外国株式
三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | りそな | ゆうちょ | |
商品名 | つみたて 先進国株式 | 野村つみたて 外国株投信 | 三井住友・DCつみたてNISA・ 全海外株インデックスファンド | Smart-i先進国株式 インデックス | つみたて 先進国株式 |
経費率(%) | 0.22 | 0.209 | 0,.275 | 0.22 | 0.22 |
ベンチマーク | MSCIコクサイ | MSCI オールカントリー | MSCI オールカントリー | MSCIコクサイ | MSCIコクサイ |
オススメ度 | 2 | 1 | 5 | 2 | 2 |
三菱UFJはほぼ同じ手数料でS&P500連動商品も買えるのですが、個人的な好みで先進国株式をこの表に記載しました。
バランスファンド、その他
バランスファンドはどれもこの8つが網羅されています。脳内思考停止でとりあえず究極の分散をしたければバランスファンドが選択肢に入ります。と言っても三井住友のはちと高い。
- 国内・先進国・新興国の株式
- 国内・先進国・新興国の債券
- 国内外のREIT
つみたてNISAと言えどもやっぱり銀行は銀行だった
以上まとめるとおすすめ順はこうなります。
三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | りそな | ゆうちょ | |
国内株式 | 4 | 2 | 1 | 2 | 4 |
外国株式 | 2 | 1 | 5 | 2 | 2 |
バランスファンド その他 | 2 | 2 | 5 | 1 | 2 |
トータル | 3 | 1 | 5 | 2 | 3 |
ちなみにiDeCoで比較したときはりそな銀行>三井住友銀行>みずほ銀行>ゆうちょ銀行>>>>三菱UFJ銀行だったので、ずいぶんと様変わりです。
NISAだろうがiDeCoだろうが商品を設定するときの考え方は一緒なのかと思っていましたが関係なさそうですね。
そして、この比較を通じての見解を述べておきます。
- 手数料は銀行らしかなぬで◎(ふるいにかかっているから当然といえば当然)
- 商品の少なさは×。なぜ201個も商品あって10個前後しかラインナップしないのか
全くナシではないけどネット証券から始めた身としてはなんだかなぁです。すでに銀行でつみたてNISAを初めてしまったとかどうしても銀行で開かざるを得ない人はそのままでもいいと思いますが、これから!というならやはりネット証券を最優先に検討してほしいところです。