【2023年読書レビュー001】2023年日本はこうなる

今回紹介する本

『2023年日本はこうなる』です。


2023年、皆さんにとってはどんな1年にしたいでしょうか?自分は昨日あげた記事の通りなので割愛します。

2022年はようやくコロナの話もひと段落つきそうかと思いきやロシアとウクライナがごちゃごちゃし始めて、一気に円安が進み、これまでにないレベルでほとんどの分野の商品が値上がりするという結局一般庶民にとっては大変な1年でした。

2023年がどんな1年になるのか、マクロレベルでどう動くのかは必ずしも個々人の目標とリンクしたり影響したりするとは限らないのですが、知らないよりは知っていた方が自分がひこうとしているレールの修正を図れるかもしれません。例えばNISAが拡充されるという国レベルでの決定事項を知っているか知っていないかでおんなじ投資をするにも方針は変わります。

本書では2023年のマクロトレンドを読み解くため、多岐のキーワードおよび分野にスポットを当てて簡潔に解説されています。著者である三菱UFJリサーチ&コンサルティングはいわゆるシンクタンクと呼ばれるところです。有名どころだと野村総研と同じ業種になります。

本書の目次
  • アフターコロナ期、質の向上で成長する価値創造の時代へ
  • 2023年のキートレンドを読む
  • 2023年を理解するためのキーワード

自分が興味のある2023年のキーワード

ここでは『2023年を理解するためのキーワード』の中から自分が注目しているものを取り上げます。

  • ソーシャルライフサイクルアセスメント
  • サーキュラーエコノミー
  • 柔軟な働き方
  • ウェルビーイング

ソーシャルライフサイクルアセスメント

まず、ライフサイクルアセスメント(LCA)ってご存知でしょうか?製品やサービスの環境影響評価をするための手法みたいなもんです。例えばガソリン車のLCAはというと単に運転中にガソリンを燃やして二酸化炭素などを排出する、だけではなくて

  • ガソリンの元となる原油を採掘して
  • 原油からガソリンを精製して
  • ガソリンを運搬して
  • ガソリン車を作るのに必要な材料も作って組み立てて
  • ・・・

みたいに付随することも含めた評価をします。これ、言い始めてしまうと「じゃあそのガソリンを運ぶための船舶を作るのも含めるのか!」とか「原油を採掘するためのプラント建造による負荷は!!」とかなってキリがないので、範囲は定義しないといけないんですけどね。

ガソリン車VS電気自動車はこの観点では実は互角とも言われているのですが、それは電気自動車は運転中は二酸化炭素を出さないかもしれないけど、その電気を作るためのところは?となるとガソリンを作って燃やすのと大して変わらんから、という主張もあります(主張もありますというくらいなので、ガソリン車肯定派の陰謀かもしれませんが・・・)。

ソーシャルライフサイクルアセスメントとは文字通り環境のみならず社会そのものへの企業活動の影響を評価する手法です。昨今はESGとかSDGsに基づく企業活動が求められる時代になっていますが、これらに対しては「こんなことをやってますよ」というだけになってしまって定量的な評価ができないのが現状なので、これからは「ソーシャルライフサイクルアセスメントの観点では当社はスコアいくつです」みたいな情報開示が決算資料とかでなされるのかなぁと予想しています。

サーキュラーエコノミー

従来の大量生産ー大量消費から一線を画するものです。日本語では「循環型経済」です。

企業としては売っておしまいではなくて、自分たちが作ったものを回収して再利用して製品を作って・・・みたいなビジネスモデルが求められることになります。すでに身近なところだとアップルは自社製品含めた回収活動をしていますし、ユニクロみたいに古着を回収して、消費者にもインセンティブを与えるということをやってますよね。

前に読んだ本で言うと「MORE from LESS」で述べられていたような、資源の消費を前提としない経済成長が進んでいくと言うことになります。自分が志向しているスタイルでもあるので大歓迎です。

柔軟な働き方

週休3日制のことです。本書でも言及されているように

  • 1日あたり労働時間も給料も減る
  • 1日あたり労働時間は増やして給料は据え置き
  • 1日あたり労働時間は減らして給料は据え置き(これがベスト!!)

どれか3つの選択肢があります。人手確保のために企業としてはあんまり要件を増やしすぎているようだと人が集まってこなくなってしまいますので、こうした制度の導入にももっと積極的になってほしいなと思います。

ちなみに週休3日制についてはちょこちょこ某ネットニュースにも上がるトピックですが、コメント欄では上記のベスト以外の変化を受け入れない、お話にならないような意見を見かけます。気持ちはわかりますが、大概の日本人はそんなこという筋合いがないレベルで生産性が悪いはずです(自分も含め。ですので、もし週休3日になるのだとしたら黙って上記1つ目か2つ目の変化の形で受け入れるか、それが悔しいなら生産性を上げる努力をした方がいいのに・・・と思います。

ウェルビーイング

ウェルビーイングとは「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」です。単に元気に働けているだけではなくて「やりがいがある」とか「人間関係も充実している」状態ですね。

最近では健康経営なんて標榜している企業も出てきていますが、いわゆるブラック企業からすると「そんなのしらねぇ!」と言ったところでしょうか?

でも、これからはFIREのうち少なくともFI(経済的自由)を目指す人、もしくはFIを目指さなくても会社に入って働き続けるスタイルにそもそもこだわらない人が増えていくと思います。そうなるとお金をいくら積んでも「ここではウェルビーイングを満足しないので」と人が入ってくれないなんてことも起こり得るでしょう。

企業は営利活動をする組織ですが、その活動のためには働き手にとってウェルビーイングを満足できる場所かどうか、もし満足しない場所であるならどうしたらそうなれるのかを考えなければならない時代だと思います。

あとがき

2023年という1年だけだと大した変化は起こらないかもしれませんが、向こう5年10年の大きな変化の第一ステップにある1年である可能性はあります。

自分は自分、他人は他人はそうなのですが、「自分は自分」な生き方を継続していくために必要な情報はつねに手にいれるべくアンテナを張った生活は心がけたいものです。

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