この記事のもくじ
今回紹介する本
『数字と人情 成果主義の落とし穴』を紹介します。
少し前までの日本なら
- どれだけ働いたか
- 真面目に勉強したか
みたいな姿勢とかプロセスのところが評価されていましたがジョブ型雇用とかリスキリングして転職して・・・が前提の世の中だと、どうしても成果がどうか、特にその成果は定性的なものではなくて数字で示せる定量的なものであることが望まれます。
数字には感情がないですから、変な異論が入ることもないし、ある一定の理解がある人を対象にすれば、その数字は一義的に理解してもらえます。そういうことからも数字は好まれますが、これに少し横槍を入れているのが本書です。
「数字もいいけど人情も大事にしようよ」が趣旨です。なぜ人情を大事にした方がいいのか、数字ばかりに頼っていたら何が問題なのかを論じています。
なぜ数字ばかりに頼るのは良くない?
改めて申し上げますが、数字がダメなのではなくて、数字だけに頼っていると限界がくるよ、そこで人情も大事だよっていうのが本書の主張です。
ではどんなところに数字の限界があるのかというと次の様なことです。
- 定義がないもの、ユニークなものは数えられない
個性は数字にできないし、単位が決まっていないものも数えられません。というか数字にしてしまうとまさに「個性」とか「ユニークさ」が消えてしまうので数字にしないほうがいいとも言えます。
企業の実力を表す「株価」とか国力を表す通貨の実力(≒為替)は数えられるし、数字にしてしまった方が理解がしやすいから数字が使われていると捉えられます。
ただ数えられるものでも、数字の表し方というのはいろいろあって、見せ方次第でなんとでもなります。なので読み取る側の理解力もセットで初めて数字を使うことの意味が最大限発揮されます。そうじゃないケースも多々あるわけですが。
そこで「人情」というわけです。AIじゃなくて人間なんだから感情を大事にするのは当然っちゃ当然かもしれませんがなんでも数字で見える様になっている世の中だからこそ再注目なポイントだということでしょう。
実際仕事している時に人情がどうとか言ってる余裕は全くないんですけどね。