この記事のもくじ
・どの商品に投資するか迷っている方
はじめに
今回の質問と自分の回答はこちらです。
投資を始めている方はどんな考えで投資商品を選びましたか?
投資の予定期間と取れるリスクを考慮して決めました。
投資のコツとしてよく言われるのは長期・積立・分散の3つです。
- 長期・・・一回買ったら何年も保有することで複利の恩恵を受けられて元本割れのリスクが減る
- 積立・・・毎月一定額で買うドルコスト平均法で購入価格の平均を下げる
- 分散・・・さまざまな国や種類の資産を買うことでリスクを減らす
・とにかくリターンの最大化だけ狙っていて途中の暴落がどうでもいいなら分散しないで一番値上がりすると思っているものだけを購入すればいい
このうち分散の重要ポイントはできるだけ値動きの異なるものを組み合わせること。言い換えると相関係数が−1に近い商品をセットで買うこと。
「えっ・・・。相関係数って何?」
そう思った方のために今回は、
・相関係数とは何ぞやの紹介
・相関係数の観点で見た有効な分散投資ってなに?
について紹介します。
相関係数とは?
●範囲・・・−1〜1
●評価・・・絶対値が0〜0.2なら無相間、0.2〜0.4なら非常に弱い相関、0.4〜0.7なら相関あり、0.7以上なら強い相関
文字で見てもイメージが湧かないと思うので、例を出します。
これを見ている会社員の方がちゃんと残業代の出ている会社であることを祈って・・・。
もしある会社で働く人の残業時間と残業代の関係をとったらこうなるでしょう(データは適当に設定)。
人によって役職が違ったり、夜中残業をするために同じ残業時間でも金額はばらつきますが、おおよそ残業時間に比例してもらえます。
この場合は強い正の相関です(相関係数は0.96)。
次は強い負の相関(相関係数−0.87)の例です。
時給が多ければ、必要なお金を稼ぐために必要な時間は短くて済みますよね。
投資における相関係数
正しい分散、間違った分散
さて、これで相関係数がどんなものか理解してもらった上で、相関係数の異なる商品AとBに投資した時に値動きがどう変わるか見てみましょう。
最初に書いた通り、資産運用で一般的に言われる分散の目的はリスク=値動きを小さくすることです。
まずはAとBがまったく逆の値動き(相関係数でいうとマイナス)のものに均等に投資した場合とAにだけ投資した場合です。Aだけを買ったほうが最終の利益は大きいですが、途中経過を見るとAとB両方買ったほうが上がるときも下がるときもゆるやかです。分散が効いているケースです。
次は同じ値動きをする場合(相関係数でいうとプラス)。
この図で出している場合は最悪で、値動きは両方買ったほうが激しいし、最終的な利益もAのみを買った場合より小さいことがわかります。
というわけで、単に異なる商品を買いさえすれば分散になっている!とは言えません。
じゃあ実際に運用するときはどうすれば分散になるのか?
一般的に分散するためには次の観点で購入する商品を分けることになります。
- 資産の種類・・・株式、不動産、債券、現物(例えば金)
- 資産の地域・・・アメリカ、先進国(欧州)、日本、新興国
お金を増やしたい人は株式をメインにしていると思うので株式メインの前提で話をします。株式だと
・米国株式(S&P500とVTI)
・新興国株式
・先進国株式
を買えば地域分散はできています。が、ここで参考にしてもらいたいのが投資塾さんの動画です。
なんと株式の括りだけでいうとどの地域の資産で組み合わせても正の相関があります。つまり、地域分散したところで下がるときは一緒に下がるし、上がるときは一緒に上がるので期待している分散効果はないわけです。
上がり幅、下がり幅が違うことで分散にはなるかもしれませんが先ほど消化したような最悪の結果になる可能性もあります。
じゃあ債券と株式の組み合わせなら?と思われた方も残念ですが、現在はプラスの相関にあります。なので完璧な分散投資とはなりません。
動画で紹介されている最適解はゴールド=金です。唯一株式や債券とマイナスの相関を持っているのでゆるやか〜に資産形成をしていきたい方は金を組み合わせて買うといいかもしれませんね。
おわりに
自分が今のところ株式オンリーで買っているのは値動きが気にならないからで、地域を分散して投資しているのはリスクを下げるためではなく新興国のほうがアメリカよりも株価が伸びた場合の機会損失がないようにするためです。
よってリターンが一般的に小さい債券や金には一切投資をしていません。
ですが、自分はそれでも平気というだけであって値動き激しいのは嫌!と言う方は今回紹介した相関係数という観点で購入する資産を検討するのがオススメです。
自分の大切なお金のはなしですから、どんな商品を買うかは他人任せにしないで自分で考えて判断しましょう。
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以上でこの記事は終わりです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
自分で考え、決めて、行動して、一緒によりよい時間を増やしましょう!