この記事のもくじ
さっそくですが、先日このようなネットニュースが出ていたのを見かけた方はいらっしゃるでしょうか?雇用保険の保険料率を上げるかもしれないというニュースです。
働いている方にとっては決してよろこばしくはないニュースですが、ただ文句を言うだけでは何の実にもならないのでこの際制度をきちんと知っておくことがいいと思い紹介することとしました。
雇用保険ってどんな制度?
制度の概要
詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。
日本には健康保険という公的な医療保険が存在しますが、雇用保険は労働者のための公的保険ということができます。
保険料率
業種によるのですが、サラリーマンやOLという働き方をしているのであれば
- 労働者の負担:額面収入の0.3%
- 雇用主(会社)の負担:額面収入の0.6%
を支払っています。健康保険にしろ厚生年金にしろそうですが会社も相応の負担をしてくれていることをちゃんと知っておきましょう。
使い道
すでに経験のある方もいるかもしれませんが、次のような目的に使われています。
- 失業者への給付
- 失業手当(退職が自己都合、会社都合かで条件が少し違う)
- 再就職のための教育訓練給付
- 雇用安定事業
- 雇用調整助成金
- 能力開発事業
転職経験のある方は失業手当もらったことがあるかもしれませんね。
更にここで気づいてもらえたでしょうか?2020年、コロナ禍で景気が悪くなって「一時休業」とか「一時帰休」と言って無給で休んでもらう代わりに80%とか100%分のお金を補填する代わりに会社からは給料を出さずに休ませられる方々がたくさんでてきました。
この「お金の補填」が雇用調整助成金です。
これってコロナだからやっている訳ではなくて平常時でも制度としてあるのですが何故昨年使う企業がめっちゃ増えたかというと次の経緯です。
- たくさんの企業が景気悪くて人件費のやりくりに困る
- 国としては失業者が出られると困るので普段よりも雇用調整助成金を使っていい条件や補助の割合をゆるくした
- 助成率
- 助成金の上限
- 企業としては使える制度は使ったほうがお金が浮くのでたくさんの企業が利用した
ちなみに自分の会社も昨年は1年ほどこの制度を利用していました。
なんで雇用保険の引き上げが検討されているの?
冒頭で紹介した文章にも書かれているのですが「たくさんの企業が雇用調整助成金を使いまくったせいでこれまで(結果的に)積み上がっていたお金がそこを付きそうだから」です。
まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないかなと個人的には思います。貼り付けたリンクのコメントでは
- そんなことをする前に歳出削減を!
- どうせ一回あげたら一生上げっぱなしでしょ?
といったらしいコメントが上がっています。これに対して自分の考えを紹介します。
そんなことをする前に歳出削減
この某検索エンジンのコメント欄はいっつもこんな感じですよね笑。気持ちはわからんでもないですがそんなことしたところで財源確保できるわけがありません。
そういう方って「会社を黒字にしたいから給料ボーナス下げていいよね?」と言われたら同意してくれるはずですがどうなんでしょ〜?
どうせ一回あげたら一生あげっぱなしでしょ?
この国のことなんで全然ありそうですね。例えばガソリンにかかっている暫定税率なるものがありますが、まったく暫定ではなくて実質恒久化しちゃってるんで。
ただ、この保険の意味合いを考えて欲しいのですが年金は今の老人のために納めているのと違って雇用保険は自分たちが困った時のためにみんなで保険料を出し合っておこうという共済的な意味合いがあると思います。
もし雇用保険料を払っているのにコロナ禍で雇用調整助成金の恩恵を受けられなかった方がいうならわかりますが、そうでないならまずは感謝をしたほうがいいと思いますよ?
例えば年収300万円=1ヶ月25万円=日当たり約1.2万円を仮定します。もしこの方が雇用調整助成金を80%受けていたとすると
- 負担:約750円/月*12ヶ月=9000円/年
- 恩恵:9000円/日*x日
ということで1年で払っている分は1日給付を受けるだけで元を取れる計算で、20年30年と働いていないなら払っている以上に給付を受けたことになります。というか雇用調整助成金の部分の財源は会社負担オンリーなので労働者は何の負担もなしに恩恵を受けている訳ですから文句言うほうがお門違いかと。
文句を言う前に知っておく
何にしてもとりあえず文句を言う方がいますが、批判するにしてもまずは自分が正しく知ることが重要です。雇用保険で言うなら
- 自分がいくら払っているのか
- 何のために使われているのか
- 自分とどんな関係があるか
です。ちなみにTwitterでは保険料率が上がるかもしれないことに対する反対ツイートで「雇用調整助成金の財源が雇用保険なのをしらなかった」と言っている方がいたのですが、まさに知らずに批判は恥ずかしいですし避けたいところですね。
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以上でこの記事は終わりです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
自分で考え、決めて、行動して、一緒によりよい時間を増やしましょう!