この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『サクッとわかるビジネス教養地政学』です。
地政学。日常生活では耳にしない言葉です。著者は地政学を次のように捉えています。
- 国際政治を冷酷に見る視点やアプローチ
- 国際政治を劇とすると地政学は舞台装置
例えばアメリカと中国の関係を地球上での位置関係から考察したり、インドのことを「アメリカと仲間になれば中国を挟むことになる国」とみなしたりします。そんな感じで各国の立ち位置を考えるのが地政学かなと思います。
- 地政学の基本概念
- 日本の地政学
- アメリカ・ロシア・中国の地政学
- アジア・中東・ヨーロッパの地政学
地政学の基本概念はこの6つ
ここでは個別の国に対する地政学的な見方は割愛して、冒頭の基本概念について紹介します。
- 他国をコントロールしながら自国を優位にするための視点を得られる
- バランス・オブ・パワー:国家間の力関係を保ちながら自国の立ち位置もキープする
- チョーク・ポイント:物流上必ず通る会場の関所(例:スエズ運河、ホルムズ海峡)
- ランドパワーとシーパワー:前者はユーラシア大陸にある国、後者は日本やイギリス、アメリカのような国
- ハートランドとリムランド:ハートランドはユーラシア大陸の心臓部、リムランドはユーラシア大陸の海岸線
面白いのは時代ごとに力を持っていた国がランドパワーとシーパワーで交互に入れ替わっていること。10〜15世紀は大昔のシルクロードのように地上をつかった物流が盛んになり、15〜19世紀は大航海時代が始まってシーパワーが優位に立ち、その後は鉄道が出来上がって再びランドパワーが優位になり、現代はシーパワー寄りになりつつあります。
中国の一帯一路は現代版のシルクロードと呼ばれます。ランドパワー優位の象徴になるのかどうかが見ものです。
日常生活には役立たないけど国際情勢を理解する橋渡し
この本のいいと思ったところ
- 可愛いイラストと色付きテキストで見やすい
- 視覚的に地政学の視点で各国の動きを理解できる
アフリカだけ入ってませんが、現代のメインどころといえばアメリカ+中国+ロシア(+インド)の関係なので最低限はこれで抑えられてると思います。
普段新書ばっかり読んでるせいでイラスト付きの本が読みやすすぎてしゃーないですね。
本書の内容に関連して思ったこと
役に立つかと言われたら直接的には役に立たない学問ですが、普段のニュースや年単位での国の変化を捉えるときに「なぜこの国は発達したのか?」「なぜあの国とあの国は仲良しなのか?」こういった疑問が湧くようなら地政学の出番になります。
トリビアというほどでもないけど知ってたら情報アンテナの感度と精度を高めてくれるのが地政学といったところでしょうか。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中8点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。地理嫌いな自分でも楽しみ半分で読めたので地図が嫌い、地理が嫌いな方にもおすすめです。
- 地政学が何かさっぱりわからない
- 勉強してみたいけど文字ばっかりは嫌だ