この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『問いの立て方』です。
人によってはこれを「いい質問の仕方」「課題設定の方法」などと読み替えられるでしょうか(自分もそうでした)。とすると本書に期待することはこれらを達成できるノウハウを獲得することですね。
ですが、本書冒頭からこの期待は挫かれます。「ノウハウめいた方法論や〜〜答えのようなもの、それらを書こうとした本ではありません(本書より中略して引用)」とはっきり述べています。
そう書いてくれてるだけでも親切なものです。
となると本書は何を書いているかというと
- なぜ自分はその問いをしたのか
- その根底にあるものは何なのか
こういった事柄について著者が思っていることがつらつら書かれているだけです。哲学書みたいなもんですね。
本書の構成は以下の通りです。
- いい問いの定義とは?
- 問いをいい問いにする方法
- 問いの見つけ方
いい問いとはどんな問い?
本書では
- いい問いとは本質的な問い
- 本質的とは「なぜその問いがあるのか」といった今言的な存在についてまで考えられていること
このようにおっしゃってます。深掘りしていくことで個々人の価値観に終着します。
こうすると意見の食い違いがあったとしても「そうか。そりゃ意見合うはずないわ」と合点が逝って意味のある会話ができるというものです。
普段こんなことまで考えてたらキリがないので実践しようとする人はまぁいないでしょうが、何かことが起こった時に「なぜなぜ分析」をするように自分が持った問いに対してもなぜなぜ分析をするのが有効と言えます。
なぜそう(疑問に)思ったのか、突き詰めるのも一手
この本のいいと思ったところ
- ノウハウ本ではないけれど、読み込むことでいい問いを立てるための思考ができる
読みはじめは著者が言う通りノウハウ本じゃないし・・・とがっかり感が強かったのですが、読み進めるに連れて自分でノウハウとして落とし込めるような本質をついた意見が随所にありました。
本書の内容に関連して思ったこと
本書ではノウハウ本ではないので、これを読んでどう活かすかはその人次第となります。
ただ、自分の場合はですが読みながら「何の気なしにしていた質問はなぜだったのか」「なぜ的外れな問題設定をしてしまったのか」を考えてみると、その前提条件や根拠、自分の理解等々に抜け落ちがあったことに気づきました。
根本を考えるというと「我思うゆえに我あり」みたいなところまでしないといけないのか?ーそう思われるかもしれませんが、問い(質問、課題感)を考えるにあたってはそこまでしなくてもいいです。
- 自分が気になったポイントは何?
- どういう点で気になった(何か自分の中で基準があるはず)
こういうことを考える癖をつけると結果的にいい問いが立てられるようになると思います。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- いい問いを立てられるようになりたい
- きちんとした着眼点を持った質問や課題設定ができるようになりたい
著者はノウハウ本ではないから・・・とおっしゃっていますが、きちんと活用すれば大多数の読者が期待していた目的は実現できる、さらに言えばよくあるハウツー本では教えてくれない考え方のヒントが提示されている点で本書は有意義でした。