この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『問う方法・考える方法 「探究型の学習」のために』です。
広い意味で探求的な学習をするためにはどうしたらいいかが分かる本かと思ったら、学校の授業科目である総合的な学習(探求)の時間のことを指していたようです。
基本的に学校の授業は受け身(教えている教師ですら受け身の授業を受けてきた上で教師になっている)なので自ら動くということは関係者の誰もができなくて当然です。
自分が小学生の頃も総合科目はありましたが、正直自発性には程遠い授業だったのを覚えています。
本書は「総合的な学習の時間」が「総合的な探求の時間」に変わることを受けてどうすれば探求することができるのか、その意味と楽しさを含めて解説しています。
本書の構成は以下の通りです。
- 「探求」の特徴
- 「探求的な学び」とは
- 探求型の授業形式
- 文献の集め方、読み方
- アウトプット(プレゼンテーション)の方法
- レポートの書き方
何かを探求する意味
全員が全員何かを探求するモチベーションはありません。ただ授業として扱われるということは現代社会を生きる上で何らか意味があるからだと受け取ることができます。
本書では探求するという行為の目的に関して次のように述べています。
- 大学や就職してから探求することをありきにしていない
- 人と異なる経験をしてきた人の方が面白い視点を持っている
- 実際に探求することが大事
探求とは読んで字のごとく
です。探求というとすごい高尚なイメージを持って「研究しなきゃ」「データをとって分析をしなきゃ」と思いがちですが、そういうことではなくて、自分が知りたいものや突き詰めたいものにとことんこだわる姿勢を持っているだけでも探求してるといえると思います。
自由研究もそうですが、教える側が自発的に動くにはどうしたらいいかを子供達に教えていないのに自発的なことを期待するのって本当におかしなことだと思います。
変なハードルを作らない授業をしてほしいですね・・・。
とりあえずやることに意味あり
この本のいいと思ったところ
- 学生でなくても使える知識がある(情報収集・プレゼン・文書作成のノウハウ)
本書の最初半分は学校教育を前提としたものですが、後半部分は社会人でも大学生でも十分に応用の効く話になっています。
特に伝えるのが苦手、調べるときによく手戻りしてしまうというなら読んで損はなしです。
本書の内容に関連して思ったこと
先ほども申し上げたように日本の学校教育だと受け身人間が出来上がるのでいきなり自ら動くような課題設定や授業は頓挫する可能性大です。
最初のうちは教える側が半ば手取り足取りであっても、まずは経験することが大事です。1回経験してしまえば少しずつオリジナルな方法で行動できるようになりますし、自分がしたいことを対象として探求する習慣づくりにも寄与すると思います。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中9点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- まだ高校生以下の年齢
- 学校教育の事例を今の自分にも生かしたい
探求という言葉はいったん置いといて、自分で決めて自分で行動する、を実践すれば自ずと探求する人に近づきます。
まずはいいなりを止めることが探求のための第一歩と自分は思います。