この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』です。
ダウンシフターズとは本書では次のように定義しています。
資本主義経済の社会では今よりもっとお金を稼ぐ、もっといいものを、もっとたくさん・・・。このような右肩上がりの“成長”を前提としてます。
その結果誰か(もしくは他の組織)との競争が常にセットです。学校にいるときは同級生との成績の競争、会社に入ったら同期などと営業成績や業務成果の競争、昇進争い・・・。言い始めたらキリがありません。
このような社会を生きづらい、息苦しいと感じる方のために提唱するのがダウンシフターズというわけ。
本書は著者がダウンシフターズとして生きていくまでの過程とダウンシフターズとして現代を生きていく有用性を説いています。
- 豊かであることの再定義
- 企業勤めをしていた頃の葛藤
- 退職後の世界巡り
- 飲食店の開店まで
- あえて暇な飲食店を指向する理由
- 大事にするのは売上よりも人とのつながり
- 自給から自信、自立、自由へ
- 既存の社会システムからの離脱
- ダウンシフターズを薦める理由
- 今考えているこれからの生き方
著者が薦める新しい生き方
それがダウンシフターズなわけですが、なぜこのような生き方を提唱するのかーー。その理由として以下のような考えを紹介しています。
- いい高校、いい大学、いい会社に入っても結局定年までは働き続けなければならない仕組みへの違和感
- 右肩上がりを目指す社会に疑問があった(そもそも右肩上がり成長は不要だと思っている)
- 自分にとって本来の幸せな生き方を見つけてほしい
結果的に今の社会の枠組みで上昇志向で生きていることが幸せ、という人はそのままで何ら問題ありませんが、「競争はうんざり、昇進とかどうでもいいから緩く長く続けられる生き方を」そう思っているならばダウンシフターズな生き方でも全然悪くないですよね。
いま流行りのFIREとかセミリタイアも本質的にはダウンシフターズと同じ思想でしょう。
たくさん稼ぐ、たくさん使うよりも、一歩引いて自然の中でのんびりしつつ本当にやりたいことに集中するのは本来のあるべき生活様式なのかもしれません。
自分の責任下で行動できる状態こそが自由
この本のいいと思ったところ
- 新しい生き方提唱
- 競争に疲れた人にとっての心理的逃げ道になる
多種多様な生き方がうけいられるようになった現代にマッチする内容です。会社勤めしている自分からするとダウンシフトするというのも一つの決断であり、非常に勇気がいることをよくぞされたなと思います。
本書の内容に関連して思ったこと
- 稼ぎすぎないビジネスなら何をすべきかではなくて何をしないかの引き算思考
- 横出世を目指す
- 自分の仕事に社会的な意義出し
これは人生通じて心がけるべき事項と理解しました。もし会社に定年まで勤めた場合、定年後の腑抜けのような生活を問題視されることがしばしばありますが、そうだとしても並行して横出世を見越したコミュニティづくりをしておくことでサステナブルな関係性、生きがいの確保につながります。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- 周りと競争するのはもう嫌
- 少しペースダウンして生きていきたい、そのための指針がほしい
ダウンシフターズの概念は読むまで知りませんでしたが自分が目指している生き方はこれに近く、共感を強く持ちました。
流石に社会システムから離脱する気はないですが、まさにSustainable Developmentー持続可能な開発、発展ができる生き方を引き続き模索していこうと思います。