【2022年読書レビュー】早期退職時代のサバイバル術

まえがき

今回紹介する本

『早期退職時代のサバイバル術』です。

本書の概要

東京商工リサーチの調査によると2021年は84の企業が早期退職の募集をしたとのこと。コレは20年ぶりの高水準だそうです↓。

これがコロナだから仕方なく、なのか、コロナじゃなかろうが「高給取りのベテラン層を減らして安くて労働力のある若年層を増やしたい」という企業の狙いをコロナ口実で進めた結果七日はわかりませんが人件費減らしたいのは確実でしょう。
国、政府
国、政府

企業は長く雇えるように努力してね〜(そしたらその分年金財政とか健康保険の財政

が改善するなー!)

企業
企業

労働力が落ちた人を雇うのは嫌だな

早期退職の対象になるような方は両者の立場の板挟みに合っているといえます。国からは働けと言われ、企業からはそんなに長く雇いたくはないと言われ。

残れればいい?かもしれませんが、転職せざるを得なくなった場合は数十年ぶりに就職活動をすることになってさまざまな困難にぶち当たることも予想されます。

本書は

  • 早期退職制度を活かしてFIREするための生き残り戦略!

のようなお話ではなく今般の情勢を受けて

  • なぜこんな問題が生じているのか
  • 組織、個人はそれぞれどのように変わらないといけないのか

という根本的な問題点について解説されたものになります。著者は人材派遣のパーソル(たまにCMやってますね)グループの研究所に勤めている方で、それこそ転職の分野には詳しい方なので生の声も踏まえた解説を学べるようになっています。

本書の構成
  • 中高年層が会社にしがみつく理由
  • ベテラン勢へのマイナス環境
  • 働かないおじさんを生産する日本の人事制度
  • 職場・家庭以外の居場所を見つける重要性
  • 人との付き合いが減るとまずい理由
  • キャリア形成の肝は変われる力
  • 企業の人事のあり方
  • 中高年の4つの武器
  • 後悔しない・失敗しない転職

中高年の4つの「ない」と4つの「ある」

本書では悪い意味で「ない」ことを4つ、いい意味で「ある」ことを4つ挙げています。両方4つなのは見栄えがいいですね。

4つの「ない」

  • 働かない
  • 帰らない
  • 離さない
  • 変われない

働かない

想像が容易です。まさに「働かないおじさん」のことですね。自分が働いているところでもそれっぽい方はいるなぁと思います。

帰らない

これもthe昔の日本みたいなやつ。

長くいること=えらいこと、という意識は今でもブラック企業では蔓延ってそう。

また、本書では帰らないことのもう一つの意味として家に帰っても居場所がないためにあえて家に帰らないケースを指摘しています。たま〜にテレビ見てるとこの手の報道を目にしますね。

話さない

コレは無口とか人見知りってことではなくて年齢を重ねるほど交友関係が狭くなることを指しています。そもそも働き始めた時点で元あった人間関係の大体は希薄になってしまうのに、輪をかけて狭くなるとなるともはや交友関係があるのか問題に発展しそうです。

変われない

新しいものを毛嫌いしたり変わることを嫌うのは年齢を重ねるほどあるあるです。別に会社員に限った話ではないです。

が、この世の中で変わらないこととは「常に変わり続ける」ということ。脳みそを柔軟にして変化を受け入れられるようにしないとですね。

4つの「ある」

  • 知能・能力の高さ
  • 仕事を続ける気力
  • 過去の仕事経験
  • 人とのつながり

どれも人によるやん!と言いたくなりますが、それは全てのことに言えること。あくまで平均に鳴らした時の「ある」として理解しておきたいですね。

知能・能力の高さ

フィジカルの方の体力は30代・40代と年齢を経るごとに落ちてしまいます。スポーツを生業にしている人ですらトレーニングをしてても衰えがあるのですから、一般庶民はいわんやおやです。

他方脳みその方は毎日生き生き生きていれば、年齢を重ねても知能レベルは維持できます。高齢のおじいちゃん、おばあちゃんを「生き字引」と呼んでいるのも頷けます。

仕事を続ける気力

著者も指摘している通り、やむなく働かないといけないから気力があるという回答になってるだけだと思います。「もし働かなくてもよければ?」という前提条件で各国のアンケートを見てみたいですね。

過去の仕事経験

知能もそうですが、個人が獲得した知識経験は誰にも奪えない資産です。

もしかしたらその会社でしか生きない経験かもしれませんし自分は他の人に比べたら経験が乏しいなんて思う方もいるかもしれませんが、そういう生き方をしたというのも一つの経験。

人生100年時代だからこそ経験はより生きてきそうですね。

人とのつながり

コレは確からしいと言えそうです。

「今時の若者は」という言葉は嫌いですが、否応無しにコロナの影響でオンライン〜〜が定着してしまっているため今の若い人世代は人と接触する場数が減っているーーコレは事実です。

その点中高年の方々は仕事上やむなくかもしれませんが豊富な人脈を持っているので強みと言っていいでしょう。

あとがき

読む前は早期退職が一般的になるであろう社会の中でどうやってお金を確保するかとかスキルを伸ばすべきかという話でもしてるんかなと思ってたのですが、コレはこれで新しい知見が得られてよかったです。

  • 今の仕事が好きな人:早期退職云々は気にしないでそこで働き続ければ良し
  • 今の仕事が嫌いな人
    • 転職したいなら転職が成功する要素を自分が持っているか点検してみる
    • 転職する気がないなら今の会社で生き残る方法を考える

終身雇用が保障されていない今だからこそこういうことを一度考える機会を持った方がいいのかなと思いました。ちなみに自分は「今の仕事は好きだけど・・・」という微妙な感じです笑

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