この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『お金と健康で失敗しない間取りと住まい方の科学』です。
本書の概要
お金に関する本はたくさんあるし、健康に関する本もたくさんあります。しかし、お金と健康と「住まい」という組み合わせは非常に新鮮に感じます。
これは読むしかないですね!
さてさて本書の位置付けを紹介しておきます。住まいにかけるお金というと教育・老後と並んで人生の3大支出と言われるだけあって、節約したほうがいいと思われがちな項目です(もちろん、その人にとって最低限必要な条件は満たすとしてですけど)。
いやいやそうじゃない、お金は不用意にかからないようにするけれどもちゃんとした住まいの構築が幸福感に繋がるのだと著者は言っています(原文ではない)。そのための家の選び方、家電の買い方、間取りの良し悪しを解説しているのが本書です。
- 家を建てるときの知恵
- 住む時の知恵
夏は涼しく冬は暖かくするためのポイント
日々の生活の質を決めるものといえば気温(と湿度)ですよね。ここ数年の日本は春と秋が一瞬で終わって残りは夏と冬というとても住みやすいとはいえない状態です。
外に出てる時はしゃあないとしても家の中にいる時ですら暑い寒いでは辛すぎます。本書ではこの室温コントロールを適切にして快適な環境を実現するためのポイントとしていくつかあげています。
東西にちょっと細長い2階建ての住宅
まず、東西に長くするのは日光の取り込みを大きくするためです。夏については日光を取り込まない方が涼しいので別に日光を遮蔽するための対策をするからいいのですが、冬については暖房を抜きにするといかに日光を取り込めるかが部屋を暖める鍵となります。
かといって極端に東西に長くしすぎても窓が大きくなって熱損失が増えてしまうのでこれまたNG。なので間をとってちょっと細長いのがGOODというわけです。
夏の日光遮蔽はマスト
上述の通りですが、夏は日光遮蔽をする前提での住まいづくりです。具体的には遮熱Low-Eガラス、アウターシェードというツールをおすすめしています。さもなくぼ本書の言葉を借りれば
- 右側に電気ストーブ、左側に冷房運転をしているのと全く同じ状況
になってしまうからです。
冬は21℃ 、夏は25℃
まず暖房について。
日本で売られている家電では設定温度が20℃デフォなのですが、他方WHOなど公的な機関が定めてい流のは18℃以上、可能なら21℃以上としてます。じゃあそのための暖房温度は・・・というとそれは住宅の条件次第で変わるのではっきり書いてくれてませんが。
ただ本書に書いてある体感温度(同じ気温にしていても断熱性が悪くて壁や天井が冷たいと体感気温が下がってしまうので暖房の設定を上げないといけなくなる)の概念は参考になりそうです。
冷房の場合も考え方は同じで26℃が目安になるそうです。省エネの基準だと27℃だの28℃が基準になっているのでそれに従っていると全然快適じゃないですね。ちなみに自分が働いている場所もしっかり27℃か28℃運転です(怒)。
あとがき
この本、期待以上に実用的なことがたくさん書いてあってすごく勉強になりました。FIREをするならとりあえず家賃はいくらで〜〜としか考えてなかった住まい事情ですが、読んでくうちに「家にはある程度お金をかけた方がいいかも」と思い始めました。
睡眠は人生の3分の1だとか4分の1を過ごす行為だからお金をかけた方がいいと言いますが、それってつまり家にも同じくらいお金をかけた方がいいということになりますよね。
特に気温とか湿度とか風通りの良さみたいなのは本来なら意識したくないのに不快だと気になってしまってQOLが駄々下がりになるので、いいお金の使い方になるなら住まいに投資する価値はあるといえそうです。
あとは、いくらかけるか、が問題です。