CRSP USトータル・ストックマーケットインデックスの選定条件

この記事はこんな方向け
  • VTIの中身が何か知らない
  • S&P500以外のアメリカの株価指数を知らない

大型企業のS&P500、丸ごと含んだ“クリスプ”

全世界の時価総額の過半数を占めるアメリカ🇺🇸(参照:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書

資産運用をする限り、アメリカを投資先から外す決断ができる方はまぁいないでしょう。いるとしたら仮想通貨をメインにするか、はたまたカントリーバイアスが発動して日本株をメインで買うか。

さて、本題に移ります。米国株投資をする歳の王道として知られているのは以下の指数に連動する投資信託やETFです。

米国の主要な株価指数
  • S&P500・・・米国の主要企業500社を抽出した時価加重平均型の指数
  • NYダウ・・・ナスダック市場またはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する銘柄中から選ばれた30銘柄の平均株価
  • NASDAQ・・・NASDAQ市場に上場している企業の株価指数

これらは株価ニュースで日経平均及びTOPIXと並んで毎日報道されるくらいに有名な指数です。その真逆にあまり知られてはいないけど投資界隈なら頻繁にS&P500と比較される指数、それが「CRSP US・トータル・ストック・マーケット・インデックス」です。

巷ではCRSP(クリスプ)って呼ばれています。

これ自体は指数であって商品ではないので購入はできません。この指数に連動する商品を購入する形となります。有名どころだと以下の商品があります。

この指数についてちょっと調べたくらいだと分かることは以下のような情報です。2点目が「米国まるごとを表している」と言われる所以です。

  • 大型株だけでなく中小型株も対象に含まれる
  • 米国の4,000社近い企業が対象になっており、米国の時価総額のほぼ100%をカバーできる

個別株と違ってインデックス連動の投資信託を買うのであれば細かな企業分析、指標の理解がなくともいいとは言え、どういう結果選ばれた企業に投資しているのかを知っておくことは後々の納得感にもつながるので余裕があるなら知っておきたいところです。

ということでこの記事では「CRSP US・トータル・ストック・マーケット・インデックス」がどのように決まっている指数なのかについて紹介します。

本題に入る前の補足

この指数を作っている組織

日経平均株価を決めているのは?ー日本経済新聞社です。

S&P500を決めているのは?ーS&P(スタンダード&プアーズ)です。

じゃあCRSP US トータル・ストック・マーケット・インデックスを決めているのは?ーCRSPです。

『いやいや、CRSPって何よ?(S&Pのこともよく知らないけど)』

という方のために示しておきます。

CRSPとは
  • the Center for Research in Security Prices(証券価格研究センター)の略
  • シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス(シカゴ大学の経営大学院)の系列機関

この記事での指数の呼称について

このCRSPという組織はS&Pが『S&P500』だけでなく『S&P400』とか『S&P600』といった指数も作っているように『CRSP US トータル・ストック・マーケット・インデックス』以外にも

  • CRSP US ラージ・キャップ・インデックス
  • CRSP US エナジー・インデックス

など多岐にわたる指数を作っています。

なのでちゃんと区別がつくように『CRSP US トータル・ストック・マーケット・インデックス』と表記すべきなのですが、文字が長くなってしまうこと及びCRSPと言って他の指数と混同する方がいないであろうことを考慮してこの記事ではCRSPと略すことにします。

対象の入れ替え条件はこの6つ

それでは本題に入ります。

今回、参照したのはCRSPの公式HPにあるMETHODOLOGY GUIDEです。この資料は残念ながら全て英語ですが、どうやって指数に含まれる企業の入れ替えをするかとかどうやって企業の大型中型小型を分けるのかといったところが解説されています。

この中にあるのがInvestability screens、つまり投資適格の篩い分けをどうやっているかです。ここを見ると以下の観点で企業の絞り込みをしていることがわかります。

要素追加条件削除条件
時価総額1500万ドル以上1000万ドル以下
浮動株の比率12.5%以上10%以下
出来高独自指数値が0.001以上独自指数値が0.0008以下
10日間以上の
取引なし期間
なしあり
取引中止なし40日以上あり
新規企業の追加基準日以前から20日以上の取引
基準日以前から5日以上の取引&SmallCap以上の時価総額

以上からS&P500のように企業数の縛りがない点がユニークですね。基準を満たす企業があればあるだけ追加されることがわかります。

補足
  • 独自指数値とかいたのは和訳に自信がなかったためです・・・。過去125日間の出来高を発行済み浮動株数で割ってるっぽいです。
  • ちなみに、1500万ドル以上は日本円で16〜17億円(2022年1月時点)ですが、東証1部に上場している企業はクリアしてました。

知って買うのと知らずに買うのは大違い

よりどりみどりなCRSPか500社選抜のS&P500か

よくS&P500とCRSP(商品で言うとVOOとVTI)のどちらがいいか論争が見受けられます。で、よくあるのが「好きな方を買えば?」です。そう言われても投資のことをよく知らない人からしたら判断つかないですよね。

定性的には

  • S&P500は大型企業500社
  • CRSPは米国丸ごと

とは言われますが、そこからもう一歩「どんなフィルターをかけた結果選ばれた大型企業500社なのか」「どんなフィルターをかけた結果集まった丸ごとアメリカなのか」これを知っておけば構成する企業を知らなくても、VOOとVTIのどちらに投資するのが性格にあっているか自ずと答えは出てきます。

少し時間があるなら、もし毎日株価をチェックするような時間があるなら、指数を作っている組織のHPを調べるなりしてどんなふうに指数を作っているのか勉強してみるのも一手です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA