この記事のもくじ
今回紹介する本
『スタグフレーションーー生活を直撃する経済危機』です。
お金の動きは次の3つに分けられます。
- インフレ:物価は上がっていてお金の価値は下がる、景気はいい
- デフレ:物価は下がっていてお金の価値は上がる、景気は悪い
- スタグフレーション:物価は上がっていてお金の価値は下がる、景気は悪い
「物価は下がっていてお金の価値は上がって景気はいい」という超ハッピーなことはまぁ起こるはずもないですが、とにかく現在はこのスタグフレーションに陥っているとされています。日本は。
企業はいろいろ理由をつけてきますが、同じ理由をつけるにしても物価の場合は上げるため、給料の場合は上げないための理由です。いやはやうんざり。
そうはいっても文句を言えばインフレは止まるなんて虫のいい話はありません。インフレになるならなるでできる対策をして、少しでも家計への影響は小さくしたいところです。
本書で書いてあることは目次のとおりです。
- インフレの到来
- モノの価格はどう決まるか?
- 円安がインフレを加速させる
- オイルショックから学ぶ
- インフレとスタグフレーションの仕組み
- スタグフレーション時代の生活防衛術
インフレに個人ができる対策
日本はまともに物価上昇をするのがかな〜り久しぶりなこともあって、どう対策すればいいかなんて話し方になってますが、本来は継続的に物価の上昇と給料の増加が起こるはずです。つまりインフレの時の対策と言いつつ、つまりは平常時からそうすべきとも言えます。
本書ではインフレに対応できるようにするためにやっておくべきことはこれだけあると言います。他にも言及されていますが割愛しています。
- 自分の勤め先の競争力を確認する
- 高額商品に注目する
- 自動車保有の見直し
自分の勤め先の競争力は物価をあげたあとの賃上げ余力に関わるからです。結局大企業の方がいいなんて結論になりかねなさそうですが・・・。
高額商品に注目する節約というのは少々意外ですが、肝は加工度が高いこと。簡単に値段が上がるものはカップ麺とか菓子パンとか元々から手間がかかってなくて値段が安いもの。確かに普段のニュースでも「100円のものが120円になりました」は報道しますけど「元々10万円なのが10万2000円になりました!」って聞かないですもんね。
そして自動車保有の見直し!著者は「自動車産業には気の毒ですが」とご丁寧なお断りを入れられていますが、全然そんなことはないと思いますよと公共交通機関好きの自分が勝手を申し上げております。かつての「一家に一台」がちょうどいいんじゃないでしょうか?みんなして乗らなきゃ渋滞もしないし移動している時は自分のやりたいことに時間を使えるし一石二鳥ですよ。
こんな時こそ「お金の行き先」と「自分が得られるもの」に意識して
インフレが起こったら節約する、というのは目先の対策としてはいいですが結局は巡り巡って自分の給料が上がらない悪循環に陥ってしまいます。だから節約節約という発想は考えようです。
こういう時に整理すべき考え方がお金の行き先と自分が得られるものの2つかなと思います。自分が使っているお金はどこに飛んでいっているのか、これを考えるとその場所に自分のお金を渡したいかどうかという目線でも買い物の是非を判断できるようになると思います。
であれば物価が上がっての買い物だから後悔することもないでしょうし、もっと前向きにインフレとお付き合いできるんじゃないでしょうか。