【2023年読書レビュー023】フクシマ 2011年3月11日から変わったくらし

今のフクシマが視覚的にわかる本

『フクシマ 2011年3月11日から変わったくらし』を読みました。というか見ました。


震災が起こった直後は被災地周辺の景色がわかる写真付きのネット記事もあって、情報に容易にアクセスできてました。ただ「ここ震災があったんだな」とわかるような風景というのはせいぜい数年も経つと更地にしたり改修したりでわからなくなっていますし、わざわざそんな映像を収めて報道してくれる機会も非常に限られてきています。

福島県は宮城、岩手と並んで津波による人的被害が大きかった地域ですが、それに加えて原発事故による目には見えない被害も生じています。宮城や岩手であれば形を変えてでもその土地に戻るという選択ができていても、福島の一部地域ではそれすら叶っていませんし、今更叶えたいというモチベーションのある方は減ってきていることでしょう。

本書は発刊された2021年時点の福島県のさまざまな景色を写真に収めて紹介してくれています。津波の到達地域みたいな分かりやすく被災地、なところだけじゃなくて側から見ても「なんでもない普通の場所じゃん」というような場所も含んでいます。

10年経っても、原発事故の影響が色こく残っていることがよく分かります。人間の寿命を考えると10年という期間はとても長いはずなのに、原発事故という性質上まだ10年という表現の方が正しいのだと思います。津波自体はまぁしゃあないとしたって、本当にとんでもないことを引き起こしてくれたなと名指しはしませんが思ってしまいます。しかもその受益者は首都圏で暮らしているひとなわけですしね。原発のある街には多額の交付金があるんだからというご意見はごもっともですが、そもそもこの仕組みどうなんという疑問は残ります。

この本に収められているのは基本としてネガティブな要素を孕んでいるので、次の10年後にはもっと前向きな写真が福島で撮影されていてほしいです。

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