この記事のもくじ
初めに
ないと思うけど、こんな仮定を置いてみる
いきなりですが、もし日本政府からこのようなことを言われる状況を考えてみてください。
- 国内で使用中の現金(紙幣・硬貨)は全てデジタル円に移行する。それまでに銀行口座に預けていなかった場合、その現金は使用不可になる。
- 全ての銀行口座はマイナンバーと紐付ける必要がある。紐付けていなかった場合は国庫に収められる
- 毎年1月1日時点で上限を超えた現金資産を保有している場合は、その超過分を資産税として差し押さえる
- 上限額は個々人で設定するが、根拠のある理由でない限り認めない
これ、何を意味しているかわかりますか?
- タンス預金として逃すことはできない
- 基本的に稼いだ分は株式に回すか、消費につかわざるを得ない
ということになります。資産運用をしている人ですら一定の現金(預金)を保有しているわけですが、そこにしても上限がかかるというわけです。
半分冗談だけど半分本気
なぜこんな仮定の話をし始めたのか。それは
日本人は根拠もなしに現金をひたすら貯めているように映るから
です。よく自分はお金を血液、私たち一人一人や会社など経済に関わる主体が血液から栄養を取り込んだり老廃物を吐き出したりする細胞と考えます。とすると現在の日本は
- 政府・・・たくさん血液を流して血液が循環するようにする
- 国民・・・血液を取り込みっぱなしで送り出す気がない
⇨結局体内で循環している血液の量は増えない
こうなっていないでしょうか?
100万あったらやっぱり150万円、150万円貯まったらやっぱり200万円。このようにいつまで経っても現金を貯めるのをやめない民族が日本人だと思います。
そこで冒頭の仮定を置いた場合、各人が本当に必要な貯金額(現金として持っておかなければならない金額)を把握するきっかけになるのではないかと思いました。
以降、自分ならどう回答するか。理由と合わせて紹介します。
自分なら貯金上限額はこう宣言する
結論
自分なら1,200万円と回答します。実際、これ以上現金として持っておきたいとも思ってません。
なぜその金額?
1,200万円=150万円*8
です。至ってシンプルです。この数字の意味を解説します。
- 150万円・・・保険を自分で支払う場合も含めた1年間の生活費。これ以上かかったことはこれまでの人生でもない
- 8年・・・日本人の健康寿命と実際の寿命の差。ここでは
- どの年齢でも一旦体調を崩したり大病をわずらったりした時点でその8年後に死ぬと仮定
- 最後の8年間は全く働けずに手持ちの資産で生きなければならないとする(年間の医療費は生活費である150万円の枠内で処理)
このように自分がいずれは死ぬことを踏まえた時に、働けなくなってから死ぬまでの間の生活費さえあればOKという考えのもと算出しました。
もし上記通りになったら必要なお金ですし(株式は紙切れになっている可能性もあるので)、数字に合理性があるという自信はあります。
自分が言いたいこと=とにかく投資、ではなく
こう書くと「要は株式やれってことかよ〜」そんなイメージにつながりそうですが、いえいえそんなことはありません。
というより伝えたいこと、考えてみてほしいことは以下の2点です。
- 結果的に無駄金になるものをせっせと貯めようとしていませんか?
- その無駄金になるかもしれないお金で、実はしたいことありませんか?
もちろん、株をやったらやったでもいいと思っています。配当が出るものに投資しておけば配当金がチャリンチャリンと入ってくるわけで、長期的には金銭的に豊かになりえます。
ただそれ以上に使いたい用途があるのに銀行口座に眠らせているのは一番勿体無い!!
現金って流動性が高いことに意味があるのに長期的に口座に眠らせておくことはすなわち流動性の強みを全く発揮できていないことに他なりません。
それでもなお
『俺は1億円(現金で)持っていないとダメなんだ!』
『老後資金には5,000万円の現金が必須なんだ!』
というならそれはどうぞどうぞです。実際に貯められる人が日本中にどれだけいるか問題ですが。
一定額は持っていないと本当に困りますが、それ以上は使ってなんぼなのが現金です。
兎にも角にも、無駄な現預金がないか振り返るきっかけとして本記事を活用いただきたいと思います。