この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『もしも、私が「がん」になったら。 81歳、現役医師の準備と決意』です。
日本人の2人に1人は癌になる。
有名な言葉ですね。正確には日本人の2人に1人は(生まれてから死ぬまでの間に1度は)癌になる、であってどの世代でも均等に癌になっているわけではない点注意が必要ですが。
もしあなたは癌になったら抗がん剤や手術など一般的な方法で治療しますか?それとも〇〇療法みたいなものに賭けますか?
これに対して『標準治療は受けません』と冒頭から宣言されているのが医師である著者です。
本書は誰にでもなる可能性のある病気、癌に対する考え方やそもそもとして癌にならないようにするにはどうしたらいいかの方法論を解説しています。
- 癌との付き合い方(著者の考え)
- 著者が標準治療を受けない理由
- 癌のアレコレ
- 癌を予防する、逆になりやすくなる食事
- 癌を予防する生活習慣
癌について勘違いしがちなこと
大概の方はその病気になって初めて本を読み漁っては知識を得る、こうではないでしょうか?それゆえ誤解している可能性を孕んでいます。
本書は癌に関する書籍なので癌について著者が主張している&認識を改めるべきと思ったことを紹介します。
- がん検診は発見が目的であって予防できるわけではない。
- 医者は治るか治らないかの2択で考えようとしているが共生する手段もある
- がん細胞は元々正常な細胞からできているので特効薬が生まれづらい
- 体(医療)は⚪︎×で語れないファジーな領域なのでエビデンスさえあればなんでも正しいと思うのは間違い
癌の治療薬で最近でた有名なものといえば『オプジーボ』があります。超すごいものなのは確かだと思いますが、その効果というのは小野薬品工業のHPにこう書かれています。
ということでオプジーボの役割は体に元からある免疫細胞がフルに活躍できるようにするといういわばサポート的なものです。つまり大元の免疫細胞の働きがしょぼかったらなんぼ使ったところで意味はなし。
これが著者の免疫力大時論につながっていきます。
何となく知った気になっているとかえってまずい好例です。
あらかじめどう生きるか決めておく
この本のいいと思ったところ
- 標準治療を否定していない
- 癌を予防するための習慣は具体的(続くかどうかは別だけど)
あくまで著者は標準治療を受けないといっているだけで不特定多数に標準治療なんて危険だという主張はしていません。個々人の生き方、価値観に照らして自分で治療をするしない、するならどうするか決めましょうという当たり前の話です。
本書に記載の健康法?が誰にでも効くかどうかは置いといて、予防につながりそうなことはやっておく、その上でなったらしょうがないと思えることをやっておくかどうかは後悔しないためにも大事と言えます。
本書の内容に関連して思ったこと
癌さえならなければいいんだ!といって極端な糖質制限をずっと続けるとか酢キャベツばっかり食べるようなことは個人的には賛成できませんが、自分の体は自分でケアするという方向性はいいなと思います。
病気になったら病院行けばいいやとか熱が出たら解熱剤飲んでおけばいいやというのは自己管理ができていない証拠です。
癌以外にも病気はたくさんあるし、健康だけに気を使うのも満足感が落ちるので要は総合的に判断して一つ一つ行動を決める必要がありますが、自分の体は一つだけです。
それだけは忘れずに生活していかないといけません。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中9点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- 現役医師の癌に対する意見を知りたい
- 癌になりたくない
自分の人生ですから自分で何事も判断です。後々どうなるかの責任は自分で取る(リベ大でいう原因自分論的なやつ)のが原則ですから、医者に言われたから抗がん剤うけました、とか手術受けました、で歯なくてもっと主体的に判断して行動する姿勢が求められますね。