【2021年読書レビュー】ドイツの自然療法 水治療・断食・サナトリウム

この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。

お断り
この記事はもともと毎月読んだ10冊をまとめて紹介する形で掲載していましたが大変読みづらいことに気づいたので、1冊ずつのレビュー形式で再掲していますm(_ _)m

今回紹介する本

『ドイツの自然療法 水治療・断食・サナトリウム』です。

通常の病院が嫌い!自分の免疫力を信じて治すんだ!そんな方もいるかと思います。そう言う人用といっても過言ではないのが本書です。

冒頭でも「まずはわれわれが経験的に知っている近代医学の常識をとりあえず忘却していただくこと」をお願いしています。全く別次元で喋ってるんで近代医学だとそれはインチキだ!みたいな話をしないでねという布石でしょう。

本書は古くからドイツで広まっていた種々自然療法の内容だけでなく、歴史の流れも書かれている健康本なのか歴史本なのかよくわからない立ち位置です。

本書の構成
  • 自然療法が広まった背景
  • 水治療
  • 菜食主義と断食
  • 日光浴
  • 運動
  • 自然療法サナトリウム
  • ナチス時代の自然療法

自然療法の基本思想

自然療法の中身自体は見出し通りで水治療=冷水浴やサウナ、菜食主義は嗜好品を取らないといった内容(一部ぶっ飛んだ物もありますが)ですので紹介しないでおきます。

ここでは自然療法の基本思想がどんなものか記しておきます。

  • 自然療法とは「自然に即した」生活様式である
  • 病気の原因は近代化による生活環境の悪化が招いた結果
  • メカニズムがわからなくても治ればOK
  • 悪いところだけ治すのではなくて体全体で1つの有機体と捉える
  • 身体の自己治癒力に懸ける

信憑性はさておき、現代病には生活習慣病なんていう名前通り生活習慣の悪化が招く種々病気がありますし、元々人間は陽が登ったら起きて、森やら海やらで獲物を取って食事して、陽が沈んだらおやすみなさいな生活をしていたので、その原点に立ち返るのもあながちおかしな話ではありません。

どちらが正しい、より見方に注目

この本のいいと思ったところ

  1. 海外で古くから知られた西洋医学以外の治療の情報が手に入る
  2. 一部キテレツな治療法もあって、面白い

キテレツと言うのは水治療だと

  • 冷水を体にすりこむ
  • ベッドの下から蒸気を浴びれる蒸気浴

といった冒頭の著者の“お願い“を頭に入れていても「これはおかしいだろ笑」って思ってしまうものがいくつもあって、昔の人ってこんな発想であれやこれやとやっとったのかと思い耽ってました。

本書の内容に関連して思ったこと

自分個人としては西洋医学と東洋医学、そして今回の自然療法のどれが正しいと言う意見はありません。本質的にはいずれも同じことをやっていてこれら同士で見ているポイントが違うだけではないかと思ってます。

西洋医学なら局所局所で薬剤がどうやって細胞に作用するかとかどうしたらがんやウイルスを死滅させられるのか、科学的な考え方に基づきます。

一方で東洋医学とか自然療法は「理由は知らんけどうまくいく」と言う経験に基づいたものなので順番が逆なんですよね。

西洋医学は東洋医学や自然療法の事例をもとに研究したら未知だったことがわかるかもしれないし、逆に東洋医学や自然療法の立場の人は西洋医学がやっていることを知れば自分達のやってたことの理由づけができるかもしれません。

普段の思考においても一見対立している人の意見を聞いてみるとそもそも観点が違ってたこと、注目していたことが違っていて気づきを得られるケースってありませんか?それと同じようなアプローチで三者は共存するのではないかと思います。

この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人

おすすめ度は10点満点中8点です。

この本は次のような方が読むのにぴったりです。紹介されている内容の真偽はさておき、その思想から学べることは多々あると思います。

  • なんでもいいからやったことのない健康習慣をはじめてみたい
  • 昔の健康法に興味がある

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