この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」』です。
時間は触ることができません、見ることもできません、聞くこともできません。よく「今という時間を生きる」的な言い回しがありますけれども、じゃあ時間ってハコモノかといったら容器みたいなものでもない。
時間ってなんなのか?
という答えの見えないような問いに対しての投げかけを本書ではしています。
- 時間の所在
- 過去と現在と未来のつながり
- ウラシマ効果
- 時間の向き
- 未来は決まっているものか否か
- 私たちは過去に戻れる?
- 時間の流れ
さんざん解説があるけれど、結局時間は〇〇
序章から最終章にかけてひたすらに時間の流れを現代物理学でひたすらに解説してもらったのですが結局最終章では時間(の流れ)についてこう述べています。
- 時間の流れは物理現象ではなく、人の意識によるもの
別に間違いではないと思います。事実時間が早く感じる(もしくは長く感じる)というように時間というものは人々のフィーリングで定義されているといっても過言ではありません。
また、人によって1秒という時間の重みも異なります。1日とか1時間といった一応の共通概念はあるものの、人それぞれで定義するものこそが時間と言えそうです。
相対性理論とかの説明は必要だった??
この本のいいと思ったところ
- 時間に関わる物理学も同時に学べる
物理学を語る上で時間は欠かせませんし、時間とはなんぞやを語る上で物理学は欠かせません。時間とは何かという表題ですが、実際のところは物理学を広く学べる専門書と考えておくといいと思います。
本書の内容に関連して思ったこと
見出しで書いた通りですが、最後の結論部分で「時間の流れは人が感じるものだ」という哲学チックな記載を見て「果たして相対性理論とか場の話って必要だったか??」と疑問に思ってしまいました。
これだったら「生きるとは何か」みたいな問いに自問自答する哲学者が時間とは何かを考えたほうが一般ピーポーにとってしっくり来る解を導いてくれたのではないかと思ってしまいます。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中7点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- 物理が好き
- 力とは何か、空間とは何かなど超根本的な疑問を考えるのが好き
悪いことを書いてるから評価が低いのではなく、高校で物理を取ってるくらいの素養がないとかえって科学嫌いになってしまうような専門的すぎる内容だったので万人にはお勧めできないという意味で7点です。