【2021年読書レビュー】知ってるつもり 「問題発見力」を高める「知識システム」の作り方

この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。

今回紹介する本

『知ってるつもり 「問題発見力」を高める「知識システム」の作り方』です。

知ってるつもり。ないですか?本書にも書いてるように知ってるつもりだと明確にわからないという認識でないのであやふやな理解と記憶でその情報を使おうとしてしまいます。

はっきりと「わからない」という認識を持っていれば正確な情報を調べてから使うことを考えると「知ってるつもり」が実は一番危険ということをお分かりいただけるかと思います。

そこで本書の目的は体系だった知識習得(=知識システムの整備)を通じてわかることとわからないことに明確に情報ひとつひとつを分けられるようにすることです。

本書の構成
  • 知ってるつもりが問題になる理由
  • 情報の理解には共通性と個別特性
  • 孤立した知識をつなげる
  • 現在の教育と知識システム
  • 知識システムを構築する上での留意事項

物覚えで役立つエッセンス

知ってるつもりが問題であるという前提があるので本書の内容は知識システムを整備できていない知識の事例や整備方法についてページを割いています。その中でものを体系だって覚える、理解するのに役立ちそうな記述を紹介します。

  • 共通性と個別特性(例:磁石の場合)
    • N極とS極があることやN極が北を指すことは共通性。どんな磁石でも成立する
    • 磁場を強くできることはU字磁石の個別特性
  • 機械的暗記の問題点
    • 内容の理解が抜けているので記憶の保持性が悪い
    • 共通性と個別特性に着目すればそもそも暗記しなくてもいいかもしれないのにわざわざ孤立させている

特にもの覚えするときに公式を文字通り覚えて、問題を解くときは公式の一つ一つのピースに嵌めてくように問題から数字など嵌め込んでいく方がいますが、典型的な悪い例です。

全く応用が効きませんし、意地悪な先生が文字の名前を変えたらはめ込む数字を間違えておしまいです。

機械的暗記で引っかかる例
  • 運動方程式は「F=ma」
  • 問題文:重量F=5kgの物体に加速度m=9.8m/s2がかかる時の力aはいくつ?
  • 公式のFが力、mが質量、aが加速度であることを知っている場合⇨5*9.8が求めるものだ
  • 丸暗記して数字をはめ込んだ場合⇨「F=ma」だからa=F/mで5/9.8だ!

そんなアホなって思われるかもしれませんが、これ、自分が高校の時の物理の先生はわざとしてました。そして引っかかる人多数でした。お気をつけください。

知識は体系だってこそなんぼ

この本のいいと思ったところ

  1. 孤立した知識の覚え方がまずいことを知る
  2. 本質的な理解の重要性がわかる

体系だった知識として身にしていくには、その根っこの部分はしっかりと理解しておかないといけません。ここが知ってるつもりになるかどうかの分かれ目にもなりうるポイントで「なんでこの法則が成り立つの」とか「野菜と果物の違いは何?」といった根っこの理解が大事です。

ということに気づけます。

断片知識しか得られないなら、その知識の意味は?

体系だった知識でないということは以下ということです。

  • その知識を習得するときに他の類似知識との付き合わせを行わない
  • 逆も然りで他の知識を知るときには一切上記習得した知識は生かされない

読書だと、同じジャンルで似たような本はいくらでもありますが、同じようなことを言ってるところとそうでないところがあります。ある本を読むときに「そういえばこれは他の本でも言ってた話だ=同じ出典の論文かも?」とか「言ってることが対立しているけどこれは前提条件の違いだ」と判断できれば、それはいい状態

同じジャンルのAという本を読んだときはAの中で知識覚えて、Aと同じ意見のBという本を読んだらAに書いてあったことと連結させずにまた一からBに書いてあることを覚えていく・・・というならそれはよろしくない状態と自分は思います。

この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人

おすすめ度は10点満点中8点です。

この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。個人的には中高生に読んでほしい1冊です。

  • 物覚えが悪い自覚がある方
  • 勉強したつもりではあるけど、テストや試験で思ったようにその知識を活用できていない方

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