【2022年読書レビュー】ドーパミン中毒

今回紹介する本

『ドーパミン中毒』です。


脳から生まれるホルモンとして次の3つが有名です(大原薬品工業 「けんこう名探偵」第1回 疲れ、だるさのお悩みに。セロトニンのヒミツを探る! より引用)。

  • ノルアドレナリン:緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝とうとするときに働く。
             過剰になると攻撃的になったり、ヒステリーを起こしたり、パニックになったりする。
  • ドーパミン:喜びや快楽、意欲をもたらす働きがある。
          過剰になると過食や買い物依存、アルコール依存になったりする。
  • セロトニン:アドレナリンとドーパミンの2つが過剰になって暴走しないように、調節している。

この説明だけでドーパミンと中毒という言葉は密接に関係する(というかドーパミン自体が中毒なものとも言える?)ことがわかりますね。

アルコールにギャンブルに物欲に、とドーパミンを出し、かつ、それらにのめり込みそうなものは世の中にたくさん溢れています。今なんてスマホでインターネットにサクサクアクセスできちゃうのでネットゲームにハマっちゃったとかオンラインカジノにハマったなんて方もいるかもしれません。

本書の目的は「『報酬の神経科学』をわかりやすく解説し、自分たちの快楽と苦痛の関係を健康的でバランスのよいものにすること」です。前段で「快楽と苦痛はシーソーの両極のように傾く」ことに基づいています。

本書の目次
  • 皆のマスターベーション
  • 苦痛からの逃走
  • 快楽と苦痛のシーソー
  • ドーパミン断ち
  • 3つの方法ー空間、時間、意味
  • 壊れてしまったシーソー?
  • 苦痛のそばに力をかける
  • 徹底的な正直さ
  • 「恥」が人とのつながりを生む

快楽と苦痛は紙一重

上述の通り、ドーパミン中毒から脱却するポイントは快楽と苦痛のシーソーのバランスをとることだとされています。つまりドーパミン中毒になっている人はシーソーが崩れているということです。

じゃあなぜ崩れるのかというとこうなるからです。

  1. 快楽を感じてドーパミンが放出される
  2. 本能的にシーソーをバランスさせるために快楽の反動で苦痛の側へシフトする
  3. 似た快楽刺激を受け続けると快楽側への傾きは小さくなるのに苦痛側への反動の傾きは大きくなる
  4. なのでこれまで通りの快楽を得るために大きな刺激を受けないといけなくなる(耐性)

アルコールならどんどん飲酒量が増えて、薬物なら頻度が増える、用量が増えていくのは比較的よく知られていることです。この画像見たことある方多いと思いますが、このまんまですね。

快楽のトリガーになるものを摂取しないでいると苦痛の方に大きく傾く、で、それが辛いから摂取するという悪循環ループです。アルコールや薬物を摂取しないようにするのはこの崩れたバランスを無理やり矯正する(徐々に苦痛の傾きを小さくしてバランスさせる)のが狙いになるわけですが、ここが難しいんでしょうね。

時間はかかるし、その間は辛いしで中毒から脱却できない人が一定数いてもしゃあない気はします。

ちょっとした中毒ならあえて大量摂取もありかも

これは完全に個人的な意見であって本書ではそんなこと書いてませんので予めご了承下さい。アルコールや薬物への依存は、それを治すために病院へ通うケースが存在しますが、そこまではいかんけどついつい依存しちゃってるものってないでしょうか。例えば

  • 毎日マウントレーニアを飲まないと気が済まない
  • ゲームアプリへの課金が楽しみで生きている

みたいな類のものです。もちろん、それらから一定期間離れることで自然と脱却する方法はありますが、あえて大量に刺激を浴びせてみるのも一手なんじゃないかと思います。上の例をそのまま使うと

  • 1週間、飲み物と呼ばれるものは全てマウントレーニアにしてみる
  • 1ヶ月、必要最低限の生活費は全てゲームアプリにしか使ってはいけないことにする

こういう具合です。やってみると「なんか、あんまり美味しく無くなってきた。たまーに飲むのが一番美味しいかも」とか「ゲームアプリよりも欲しいものあったわ」といった気づきが出てくると思うんです。ないしは健康面などでの実害が発生して避けるようになることもあるでしょう。

昔は好きだったのに今はもう食べてない食べ物とか、触れていない趣味っていうのも「あまりに触れすぎて逆に飽きちゃった」という一例だと思います。

自分には当てはまるものがあります。ココナッツサブレバンホーテンココアです。学生時代、ある数ヶ月間の食事のうちの1食は必ずココナッツサブレとバンホーテンココアという時期がありました。今も好きかどうかと言われたら好きなのですが、当時あまりにも食べ飲みすぎたせいで、自分で買いますかと言われたら「もういいっす」状態です。

こんな感じのケースもあると思うので、もし「これアリかも」と思われたら試してもいいかもですね。重ねてですがこれは個人的な意見です。口に入れるものについては大量に摂ったら急性中毒みたいな形で洒落にならない実害が発生しますので決してなさらないように。

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