この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『ビットコインは5000万円になる!つみたてNISA、iDeCoより「積み立てビットコイン」を始めなさい』です。
2021年は2017年から半減期通り4年ぶりにビットコインが最高値を更新しました。が、年末から年始にかけてずるずると下落が続いて既にアゲアゲモードは終了しつつあります。
「ビットコイン」のトレンドもご覧の通りですっかり下火です。
ですが、こういう時こそ仕込みどき!自分は今年〜来年にかけて資金の余裕を見ながら積み上げておきたいなぁと思っていて背中を押してくれるような本はなかろうかと思って見つけたのがこちらです。
本書の目的
自身を暗号通貨アナリストと称する(そういう肩書きは調べても出てきませんでした。ただの自称だと思います)著者が以下2点を解説するというものです。
- ビットコインの投資法
- ビットコインが他のアセットクラスと比べて急激に価値が上がっている理由
ただのポジショントークと思うのか、心の底からそう思っていると思えるかは読み手次第。
本書の構成
最初に仮想通貨全般の説明が入るので仮想通貨を全然知らない人も安心して読めるようになっています。
自分はメジャーどころの知識は知っていたのでほとんど読み飛ばしました。
- 仮想通貨とは何か
- 仮想通貨の安全性
- 仮想通貨に関するFAQ
- つみたてNISAやiDeCoより積立ビットコインを薦める理由
ビットコインが5000万円に到達するという根拠
本書のタイトルにもある5000万円という数字。この記事を書いている時点では1BTCは約500万円で推移しているので、ここから10倍ということになります。今からでも“テンバガー“を実現できるというのです。
S2Fモデルの「2028年に1億円!」に比べるとまだ控えめですが、それにしたって5000万円です。馴染みがない方からしたら
『こんなもんに5000万円の価値がつくなんて、なんてアホみたいなこと言ってんだ』
こう思われることでしょう。
そんな方のために、なぜ1BTCが5000万円に到達すると著者は信じているのか、その理由の次の3つの観点で紹介しています。
- 金(ゴールド)の時価総額とビットコインの時価総額が並んだ場合の価格
- 世界の基軸通貨に格上げされた場合の価格
- ビットコインの最小単位がドルの最小単位と同じ価値になった場合の価格
ゴールドの時価総額
本書から引用するとゴールドの時価総額はこうです。
- 1gあたりの価格6500円×供給総量21万t=1,365兆円
もしこれに並んだ場合、ビットコインの発行上限枚数2100万枚で割ると6,500万円が1BTCあたりの価格となります。
・また、現在のビットコイン発行枚数は1,900万枚くらいなので著者の計算の仕方は「下駄を履いている」方法となり、仮にゴールドの時価総額の8割くらいでも5,000万円は突破することになります。
世界の基軸通貨
ここは定性的な話となります。
この前提で話を進めていきます。
現在の世界の基軸通貨であるアメリカドルは全世界の50%の人がもっているとしています(約38億人)。
これに対してビットコインを保有している人は全世界で1億人と言われています。仮に38億人が持つようになったら価値も38倍。
元のビットコイン価格を著者が提唱する適正価格=1BTC240万円を基準に計算すると
- 240万円×38=8,400 万円
このようになります。
ドルと同価値
最後は自分の主観では「何の意味もないやん」と思ってますが、それはさておき。
ここで言っているのはビットコインの最小単位である1Satoshi(円で言うと銭)がドルの最小単位であるセントに並んだ場合を指しています。
SatoshiとBTCの関係は1億Satoshi=1BTCなのでもしも1Satoshi=1セントになったら1億円と言うわけです。
- 1BTC=1億Satoshi=1億セント=100万ドル
- 100万ドル=1億円なので1BTC=1億円(1ドル100円の前提)
これはただの数字遊びだなぁ。が自分の感想です。
リスク分散としてのビットコイン
この本でわかること
- ビットコインがこれまでに値上がりを続けてきた理由
- 資産を増やすためのビットコインの買い方
- 買ったビットコインをハッキングなどから守る方法
ただ単にビットコインはいいよ!で終わるのではなくて今現在の適正価格はもっと下に見ていることや、量子コンピュータが登場した場合のリスクについても触れている点は親切だと思いました。
ビットコインがいいと思っている人はYouTubeでもいい面しか言わないので究極に偏っています。その点本書は比較的中立に見ている印象でした。
本書の内容に関連して思ったこと
著者は冒頭で日本円が紙屑になるリスクについて触れていました。大概の人は
『日本政府が価値を保証してくれているんだから大丈夫だよ!』こう思っているでしょうか?
もちろんベースとしては自分もそう信じていますが、日本政府が価値を保証しているってことは価値のコントロールも自在にされてしまいます。そう、紙幣のばらまきです。
日本円自体が紙屑になることはなくても他国のお金と比べると紙切れになったり相対的に力が落ちて海外のものが日本円では到底買えなくなる、こんな未来が来ないとも言えません。
最近だと原料価格が〜、とか原油価格が〜と言っていろんなものが値上がりしているのもその1つと捉えています。
リスク資産しか持たないのもリスクですが、ある一つの資産(例えば日本円だけ)しか持たないのもリスクがあります。
これは資産運用そのものの話になりますが、兎にも角にも一つのカゴに卵を盛らないようにする、これが鉄則です。
そのために既存の通貨とは異なる位置付けにあるビットコインを持つのは決しておかしいことではないと思いますし、その性質の違いについて知らない方にはまず知ってほしいです。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中9点です。
この本は次のような方におすすめです。
足元は暗くても長期的には必ずデジタル資産が活かされる時がくるーそう信じて自分は手持ちのビットコインをガチホしていく所存です。
- 仮想通貨のことをよく知らない
- 仮想通貨は危ないものだと思っている