この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『人生を自由にしてくれる本当のお金の使い方』です。
サッカーボールは蹴るものです。洋服は着るものです。
では、お金って何をするものでしょうか?
- 自分に向かってくる側
- 貯める
- 稼ぐ
- 増やす
- 自分から出ていく側
- 使う
- あげる
- 寄付する
たくさんの動詞がくっ付きます。本書はその中でも“出ていく側”に関する様々な問いに答えてくれる書籍です。
本書の背景知識
本書のまえがきでも紹介されている日本FP協会が発表している「くらしとお金に関する意識調査」のアンケート結果をここでも示しておきましょう。
以下は現在及び将来の収入・支出・預貯金・投資に関する不安を覚えている人の割合です。当然ともいうべきかコロナで収入が減少した層の方がお金に関する不安を覚えていることがわかります。
コロナで収入が減った人は実に8割もの方々が不安に覚えているという中で「お金の使い方」をトピックにするなんて随分ぶっ飛んでるなと思いつつ。
その理由は一読してもらえれば理解できます。
本書の構成
リベ大的に言えば
- 稼ぐ力
- 貯める力
- 増やす力
- 守る力
- 使う力
この中で著者は使う力が最も重要と考えているわけですから、ひたすらに何故使う力を磨くことが人生の自由、幸福につながるかを主張しています。
- お金のやり取りがもたらす意味
- お金は循環させて増やす
- 人生を自由にしてくれるお金の使い方
- お金に困らない人の思考回路
自己投資とリターン
本書の中で人生を自由にしてくれるお金の使い方の1つとして「学びにお金を使うこと」をあげています。これ自体は他の本でもありそうな情報で新鮮味はありません。
自分にとって新鮮に感じたのはその理由です。自分のスキルアップは収入アップにつながる!という理由がくるかと思いきや以下の3つです。
- 学びへの投資は損をしない
- 視野が広がる
- 人間関係が広がる
順に見ていきます。
学びへの投資は損をしない
いわゆるリスク資産(株式・不動産・金や石油などの現物)は値動きがあるので上がることもあれば下がることもあります。つまり、やり方によっては損するということです。
対して学びで得た知識・成果が後になって目減りしたりなくなったりすることはありません。という点で損をしないと述べています。ですので金銭的に必ず投資額以上のリターン=儲けが出るかどうかはこの論においては抜きにして考えておかないといけません。
最も著者の場合は金銭的にも元を取るだけの金銭的リターンを得てきたと推察されます。
視野が広がる
自分が知らない、今まで興味がなかった分野の学びであれば、です。
同じものでも見え方が変わる、切り口が変わるのは自分自身もよく経験していると頃で同意です。
人間関係が広がる
これは対人の学び、セミナーや講演会に参加した場合に得られるメリットです。
新しい出会いが新しいビジネスチャンス、新しい経験のきっかけになります。ここに私見を加えると普段いるのとは別のコミュニティを持っておくことは精神衛生上もいいことだと思います。
学びが有益なお金の使い道であることは以上を持ってなるほど、と思ってもらえるのではないでしょうか?
ただし自分からお伝えしておきたいのはこういうのを鵜呑みにして自己投資と称した浪費はやめましょうということです。
お金の使い方がわかっていない、普段は浪費しがちな人にいきなり自己投資なら何でもいいよと言ったら目的もなしに有料セミナーに通ったり、ビジネス商材を買ったりしかねません。
やるからには漠然とでも目的、それをすることで得られそうな知識経験を思い浮かべておきたいものです。
あとがき
気に入ったフレーズ:お金は循環させる
本書では度々「循環させる」という表現が登場してきます。
この意識は闇雲な“自称”自己投資を避けるために押さえておきたい考え方です。
という言葉があります。
回りもの、というと何もしなくても勝手に自分のところにやってくる感じがしそうですが、そんなことはありません。
正しい方法でないと自分以外のところで循環するだけです。
使った全てのお金を自分に戻そうと考えるのも極端ですが、「どうやったらここで使ったお金が自分に戻ってくるだろうか」「お金でなくてもメリットが得られる形で将来還元されるだろうか」というものの見方をするのがいいんじゃないかと思います。
例えば、スーパーで食べ物を買うときは「ここの野菜は美味しいからずっと食べたいな」と思えばそこにお金を投じることで「農家の方に収入が入って長期的に美味しい野菜を食べ続けられる」というリターンがあります。これなら直接自分にお金が回って来なくても損したとは思わないですよね?
この本のおすすめな人
お金を使うとはどういうことか、一から考えられるいい本だったなと思います(実際、結構売れているみたいです)。貯蓄率をギリギリまで引き上げて生活している者としては大変参考になりました。
よってこの本は次のような考えの方にはぜひ読んでみてほしいなと思います。
- 貯金が正義!お金は使わなければ使わないほどいい
- お金を使うことはよくないことだ