【2023年読書レビュー046】全面改訂 第3版 ほったらかし投資術

今から投資をするならこれ1冊で十分

『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』を紹介します。


今まで投資をしていた人でもそうでなくてもNISA制度が大きく変わると言われれば「はてどう投資していこうか??」と思案に耽っているのではないでしょうか?なんてったってこれだけ変わるのですから。

最近はなりを潜めている通称レバナスもしばらくしたらまた人気が出てくるかもしれませんね。

  • (年間あたりの)投資額・・・年間当たりだとMAXでも120万円だったのが360万円に
  • (累計の)投資額・・・従来は600万円or800万円だったのが1,800万円に
  • 非課税投資期間・・・今まではMAXで20年間だったのが無期限に

本書の著者は投資界隈ではお馴染みの山崎元さんといちインデックス投資家の水瀬ケンイチさんです。実は水瀬ケンイチさんが書いた本を読むのはこれが初めてではなくて「お金は寝かせて増やしなさい」が最初です。投資を始める前の2019年、勉強の一年と位置付けて(そんなんなら1万円でも投資しておけばよかったのにとは思う)ランダムウォーカーとか敗者のゲームとか色々読んでた中の一冊です。確かリベ大のHPでおすすめ書籍になっていたからだった気がします。今回とは関係ありませんが、これを機に改めて読んでみたら全く当時とは見え方が違って新鮮でした。

さて、本題に戻りまして、本書の目的は「人生を最高に楽しむために、最も効率的なお金の運用方法とはどのようなものか?」のアンサーである「ほったらかし投資術」を届けるため。本書は改訂版であり、種々の事情の変化を考慮した改訂がなされている・・・という位置付けですが、自分はこれがはじめてなので特に改訂がどうこうというのは注目しませんでしたが。

なぜリスク資産は「全世界株式インデックスファンド」?

これまではリスク資産の商品選びとして外国株式(例えばMSCIコクサイ連動みたいなインデックスファンド)とTOPIX連動のような国内株式を半々で持ちましょうとなっていました。それが今回は全世界株式インデックスファンド1本でOKとなっています。

全世界株式インデックスファンドは日本の構成比率が大体10%もないくらいなので随分と日本の割合を変える方向になるなぁと思うところです。なのになぜ全世界でOKと言う判断に至ったかというと、この2つが理由。

  • 相関係数が大きくなっていて分散効果が薄れてきている
  • リバランスをしなくてもいい

ほったらかし投資術といっておいてリバランスが必要な商品選びを前回していたのか・・・!!とびっくりします。それに著者くらいの方ならあくまで大事なのは「市場全体に時価総額加重平均でまるっと投資する」ことであって、それができるのが全世界株式インデックスファンド(厳密にはREITとか債券を含めないといけないですが、そこはおいときましょう)なのにも関わらず国内株を多めにする(しかも半分も)という典型的なカントリーバイアス全開のポートフォリオやんかと疑問にも思います。

後日?出す今後の資産形成の方針を紹介しているところでも、自分が今後のNISAで新規購入する分については全世界株式インデックスファンド(いわゆるオルカン)にしますとしているのですが、これはこの2つの理由に基づきます。

  • アメリカ偏重にするとカントリーリスクが残る(すでに買っているVOOはもう仕方なし)
  • いわゆるオルカンでも自分が望んでいるリターンを出せるくらいのものだと、年金運用ファンドであるGPIFが算定している

なのでちょっと理由が違うんですよね〜。著者が経済にすごく明るいのは重々認識しているのですが、他にも具体的かつ納得がいくような理由もなしに「全世界株式が90点なら米国一国投資は84点くらい」みたいな発言をされているのも機になるところです。そもそもなんだったら100点なのかと言う基準もないし、せっかくなら定量的な拠り所を示してほしいなと思います。

それさえなければ全般的に納得感を持って読み進められる一冊です。

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