この記事のもくじ
まえがき
今回紹介する本
『宇宙の秘密を解き明かす24のスゴい数式』です。
本書の概要
宇宙を理解するにはすご〜く根本的なところまで突っ込んで物理的にはどうなっているのかとか数式でどんなふうに表現できるかを解き明かしていかないといけません。
その結果、わかりやすさで言えば学校で習うような式(三平方の定理とか円の面積の求め方とか)からはおおよそかけ離れたものとなります。まず数式に使われている文字の意味がわかりませんし、それを解説している文書すらわかりません。あまりに高尚な域に入ってしまうと物理学が数学のように思えてきて数学が哲学のように思えてきます。
というわけで宇宙の写真を見たりニュースを読んだりするのは好きでも学問の部分はお断り・・・な方が多いことと思います。
本書では学問としての数式の意味も深掘り解説しつつ数式の読み方や、この数式は何を表現しているのかをできるかぎり平易に説明してくれています。宇宙に絡む学問との距離を縮めるのにふさわしい内容です。
- 宇宙を表現する数式
- 素粒子に関する方程式
- 光に関する数式
- etcの数式
自分が気に入った数式はこれ
高校で理系選択だった方、もっというとそこから大学で理学部・工学部に進まれた方であれば本書に書いてあるうちの半分弱は一度は見たことがあるはずです。
半分弱というのは自分がそうだっただけですが、見たことがある数式の中で「実はこうだったんだ!」と知って感動したのは
光とエネルギーに関する数式
です。一般的に知られている形は
こんな式です。Eはエネルギー、mは質量、cは光の速さです。この式が言っているのは「質量が小さいものでも実はとんでもないエネルギーを持ってるんだよ!」ってこと。悲しいことに原子爆弾の原理はこの数式に則っています。
この数式、実は都合のいいように切り取った式で正確にはこうだというのです。
これは初見でした。vは実際の物体の速さです。一般的に知られている式はどういうことかというとvが光の速さちょりもすご〜〜く小さい時はv/とかvは0見たいなもんだよね!ってことで「近似」をしてしょっぴいた形になっているというわけ。
時たまあまりに単純な形の数式が登場するもんだからてっきりこの式も基本型が全てだと思ってたんですが新しい学びになって嬉しいです。
個人的に気になったのは「vがcに比べて無視できない場合はどうするの?」です。分母が0に近づいて究極は無限大になってしまうのですがそこについては言及がなかったので。
あとがき
本書で出てきたほとんどの数式を理解するには専門で勉強してきた人じゃないと到底不可能なレベルのお話ばかりです。なので無理に理解しようとするのはお勧めしません。
こんな数式を発明した人がいるんだとか、世の中にはこんな数式があるんだ〜不思議だな〜くらいに留めておいてあとは著者が各パラグラフの最後に書いている余興?を楽しむのが本書との心地よい距離感になりそうです。