【2023年読書レビュー019】大往生 医者が考える最高の死に方と極意

今回紹介する本

『大往生 医者が考える最高の死に方と極意』です。


大往生とは「(天命を全うして)安らかに死ぬこと。また,立派な死に方」を意味します。安らかはともかく立派という言葉はザクっとしていて個々人によってイメージが分かれるところかと思います。自分もちょこちょこ使う「ピンピンコロリ」を目指すのか、老衰で家族に看取られるのか、はたまた壮絶な死を遂げて爪痕を残すのか。

本書は医師として数々の看取りを経験された著者が考える「死ぬときに後悔しないための死に方=生き方」についてです。死に方に正解はないけれど、各自の生き方を見直すきっかけになると思います。

本書の目次
  • 大往生とは何か
  • 最期に後悔しない生き方
  • 身体の老いとうまくつきあう
  • 心の老いとうまくつきあう
  • 最高の生き方と最高の死に方

死ぬ時に後悔しないためのキーポイント

「もっと自分に素直に生きればよかった」とか「仕事を頑張りすぎなければよかった」というような死ぬ時に後悔することランキングの話ではありません。もっと抽象的なことです。

本書で挙げているのはこんなことです。それぞれに半分ずつ章での解説をさいていました。

  • カネ頼みからの脱却
  • 医療については治すことよりラクになること

何といってもお金に対するスタンス、これ大事です。お金があれば何とかなると思って貯金をしまくった先には高額療養費制度で大して出費がかからないとかお金は溜まったはいいけど人間関係が壊滅的だとか社会的な繋がりがないとなったら何のこっちゃかわかりません。

特に「貯金は最もお金がかかる趣味」この表現はぐさーっときました。この趣味はあらゆる贅沢を我慢する理由になり、どんなに資産や収入があっても解決しない趣味です。DIE WITH ZEROに通づるところがありますね。とはいえお金が減っていく状況を喜ぶ人間なんていないし、減るよりは少しでも増えてくれたほうが嬉しいもの。

あらゆること、贅沢を我慢しなくてもいい範囲での貯金ができるならバランスがいいと言えるのかもしれません。

死に方は選べないけど生き方は選べる

この話は結構な冒頭で述べられているところです。死に方の理想を持つのはいいけど、どうやって死ぬかなんてコントロールできないことです。じゃあどうすんの!といったら結局は今をどう生きるかの積み重ねしかないということでしょう。

常に「あと1年後に死ぬとしたら」を考えろってことではないですが、気持ちとしては持っておいたほうがより良い今の蓄積につながるような1日の過ごし方になるでしょう。そんな余裕、そうそうないですけどね。

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