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アグレッシブでもパッシブでもない、アサーティブ
『アサーティブ』を紹介します。
自分は働き始めてから「アサーティブ」という言葉を知りました。アグレッシブ(積極的)でもパッシブ(消極的)でもない「アサーティブ」なコミュニケーションが大事だとということで使われる言葉です。
本書では冒頭で「すがすがしく自己主張する技術」と定義していますが、それだけだとしっくりこないと思いますし、第一「アサーティブってなんやねん!」というかたも多いと思います。コミュニケーションの世界では聞く力がどうこうとか人に伝わる話し方みたいな書籍がたくさん出ていますし、それはそれで大事だと思いますが、それ以前のマクロな話として「アサーティブ」な姿勢がコミュニケーションにおいては大事であって話し方をどうするとか聞き方をどうするというのは二の次三の次かなというのが自分のスタンスです。
本書はだいぶまえ(オリジナルは2007年)に発行されたものですが、今でも、なんなら今こそ生かされる技術です。一読がおすすめ。
どうすれば「アサーティブ」なコミュニケーションといえるのか
普段から比較的使っている言葉というのもあってどんなコミュニケーションならアグレッシブでパッシブかというイメージは朧げながらでもできますが、いかんせんアサーティブって登場しない単語なのでアサーティブが大事だと言われてもどんなコミュニケーションならアサーティブで良い!といえるのかが気になるところです。
本書ではアサーティブなコミュニケーションであることの要件、要素を次の通り挙げています。
- 自分も相手も同じくらい尊重する
- 協調的かつ発展的であること
- 伝えたいことは明確に
- 歩み寄り
どれもいっていることは同じでして、要は自分の言いたいことだけ、要望だけゴリ押しするのもダメだしだからと言って相手の要求をそのまま飲むのもダメということです。
ある納期で仕事を完遂させるというミッションがあるとするなら
- NG:相手の都合を無視してとにかく自分の納期が通るように主張する
- NG:相手に気を遣って実は設定してはいけないスケジュール感の納期を設定する
- OK:自分の希望納期は提示するが「ここまでなら大丈夫」「納期を守るためにこういう対応、協力ならできる」という対案、代替案、対応策を提示する。また、相手にとってのメリットも提示する。
という具合です。自分は割と2つ目のNG事例をやりがちなので気をつけなければと思ってはいますが、相手のことを知ってしまっているとどんな状況にある中で自分が依頼することになるのか分かっているのでどうしても気後れしてしまいます。
アサーティブなコミュニケーションというのはまさに0でも100でもない中間をいく手法なわけですが、他の0か100か議論と違って「一回極端に振ってみよう」をやってはいけないカテゴリだと自分は思います。経験上、その場はいいかもしれないけれど長期的な人間関係の崩壊、信頼の失墜は間違いなしです。
だから自分が現在アグレッシブ寄りだからといって極端にパッシブなコミュニケーションをしようと(その逆も然りですが)考えるのではなくて、今の手法をベースとしてある1日で1つだけ今までと逆の要素を取り入れてみるというのが現実的な改善のアプローチかなと思います。