この記事のもくじ
・国民年金は本当に割がいいのか腑に落ちていない方
はじめに
質問です。
まだ若い方は自分が老後になった頃には貰えないと思っていますか?
貰えると信じています。
日本は少子高齢化が進んでいるので「どうせ自分たちは年金もらえずじまいだから、自分で貯金するわ」という方や「国民年金って本当に割がいいのかなぁ」と疑問に思っている方、いらっしゃることでしょう。
今回はそんな国民年金について
・改めてどんな制度かの知識共有
・国民年金のトータルリターン評価
を紹介します。
国民年金制度の概要
制度概要
細かい支給条件などは日本年金機構のHPで紹介されているので、気になる方はそちらをご覧ください。
- 対象者:日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
- 対象者の義務:国民年金保険料の納付(2021年時点で月16,540円)
- 対象者の権利
老齢基礎年金⇨65歳から受け取り可能。大多数がイメージしている年金のこと
障害基礎年金⇨1級・2級の障害を持った時に支給
遺族年金⇨国民年金加入者が亡くなった場合に、その配偶者or子供に支給
自分の理解用として図にしてみました。間違っていたら指摘ください。
自分も含め、年金=65歳からの年金だけをイメージされていたかもしれませんが、これだけでも結構手厚いなと思いました。これを書いている2021年時点では加入対象の40年間、全額収めていれば年間で約78万円を受け取ることができます(自分のミニマムライフコストより額が大きい・・・)。
国民年金の納付率
納付率には免除されている方が含まれていないので、きっちり保険料を納付した方だけが分子に来ていることになります。後追いで納めた分も含めたものが最終納付率ですが、2019年度で76.3%。結構払っていない方が多いんですね。
同じく厚生労働省の資料に結構昔ですが、未納理由のアンケート結果が掲載されています。多い順に
・支払う余裕がない(低収入、住宅ローンなど)
・国民年金を当てにしてない(年金制度への不安、もらえる金額がわからない)
となっています。
直近の資料がありませんが、おそらく未納の方は同じ理由だと思います。
国民年金のトータルリターンは?
株や不動産に投資されている方ならリターン、利回り何%かなと自然に考えると思います。国民年金も同じ考え方で評価をしてみます。
- 元本⇨年間約20万円*40年間=800万円
- 受給開始年齢⇨70歳※今は65歳ですが、後ろ倒しになる予想
- 死亡年齢⇨80歳※日本人の平均寿命はもう少しありますが、短めに予想
- 年間の年金額⇨年間62万円※今は満額78万円ですが”マクロ経済スライド”で今の2割減の分しかもらえないとします。
どうでしょう、国民年金否定派の方が喜びそうな悪い想定の前提条件にさせてもらいました。この場合、最終的にもらえるお金は62万円*10年間=620万円。
800万円預けて、もらえるのは620万円なので180万円のマイナスという結果になりました。
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まぁ、悲観的に予想したので当然っちゃ当然ですが、結構な払い損見込みなのがわかりました。ですが、大前提として忘れてはいけないのは
国民健康”保険”という名前の通り、あくまで保険なので全員が得する仕組みではない
年金制度を否定される方は損得で判断されているはずですが。このような方は生命保険とか医療保険、自動車保険などに対しても損得で入るかどうか決めているのでしょうか。
・生命保険⇨自分が早く死ぬかもしれないリスク
・医療保険⇨病気にかかってお金がたくさんいるかもしれないリスク
・国民年金保険⇨長生きしてしまうかもしれないリスク
に対しての安心を買うために保険に入っているのではないでしょうか?
病気になる人、ならない人のバランスで医療保険が成り立つように、国民年金保険も長生きする方もいれば早くして亡くなる方もいるからこそ、お金のバランスが取れているのです。
全員が得する制度なら、それこそいつか破綻します。なので、国民年金保険に対して払い損とか払い得という考え方をしている時点でナンセンスだと自分は思います。
あと、国民年金は加入と納付が義務なので、義務と決まっているものに騒ぐくらいなら今の高齢者の受け取り金額を減らすように主張するとか、活動した方が有意義ではないかなーと思います。
極論ですけどね。
おわりに
今回の前提条件だと、元を取るには100歳近くまで生きないといけないこと、もらえるお金の半分が税金由来ということを考えると払い損と考えるのも多少納得しました。
ですが、国民年金で受けられるのはいわゆる毎月もらえる年金だけではなくて、障害年金、遺族年金もあります。自分はセーフティネットとして国民年金は十分いい制度だと思うので、今後も納得して納めさせてもらいます(厳密には厚生年金保険)。
老後の心配をされている方も、まずはこのように公的な制度を正しく知って、必要な対策や貯蓄を進めると不安を減らせると思いますので、一緒に蓄財を頑張っていきましょう。
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以上でこの記事は終わりです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
自分で考え、決めて、行動して、一緒によりよい時間を増やしましょう!