2022年の株式指数の値動きと相関係数

まえがき

この記事の位置付けは以下の記事の2022年版のようなものです。

ただこの時とは異なり、ETFのデータではなくて指数そのもののデータを採用しています。また、この記事ではあくまで株式指数の間のみでの比較ですのでビットコインや債券インデックスと株式指数の相関については別に紹介します。

2022年の値動き

採用した指数

以下の通りです。会社によって指数を作るときの基準が違うのでMSCIなんとかで揃えることにしました。

採用したインデックス
  • MSCI ACWI:先進国+新興国。通称オルカンのベンチマークです
  • MSCI World:先進国(ちなみにこれから日本を抜いたのがeMAXIS Slim先進国株式のベンチマークでもあるMSCI KOKUSAIです)
  • MSCI Emerging:新興国。eMAXIS Slim新興国株式のベンチマークです
  • MSCI AC Europe&Middle East:欧州および中東の先進国+新興国
  • MSCI North America:北米の先進国
  • MSCI AC Asia&Pasific:アジア太平洋の先進国+新興国
  • MSCI EM Latin America:中南米の新興国

これに対してこう思われた方、いるんじゃないでしょうか?

  • なんで北米の新興国がないんだ!
  • なんで中南米の先進国がないんだ!
  • そもそもアフリカ入ってないじゃないか!!

これに対して1個1個コメントしていくとこの通り。

  • なんで北米の新興国がないんだ!
    ⇨北米に含まれるのはアメリカとカナダだけ。どちらも先進国分類なので新興国はない
  • なんで中南米の先進国がないんだ!
    ⇨中南米地域の国で先進国分類されている国が存在しないので入れようがありません
  • そもそもアフリカ入ってないじゃないか!!
    ⇨新興国に入っているのは南アフリカとエジプトだけです。で、この2カ国はMSCI AC Europe&Middle Eastに入っちゃってるのでありません。

別に意図的にアフリカを抜いたとかそんなわけじゃないのでご了承ください。

2005年以降の値動き

で、値動きは以下の通りです。1つ目が国分類、2つ目が地域分類ということで分けて示しています。どちらも2005年1月の値を100としています。

アメリカ以外のしょっぱさが目立ちます。下がる時だけ同じくらい下がって上がる時はアメリカほどは上がらないという。

2022年の値動き

相関係数の算出はこちらのデータでおこないました。週ごとの終値をプロットしています。

しれっと中南米がいいじゃないか!と思いたくなるチャートですが、それは2022年だけをみればの話。中長期のチャートは上で示した通りです。

相関係数の算出結果

こちらの通りです。国分類、地域分類で分けて示します。

強いてあげると中南米に投資しておけば値動きの分散は図れますが、値動きの分散はさせるにしたってある目的の1手段です。極端な話「リターンは全くなくてもいいから値動きが違うものに投資します」ってしますかという問題です。

自分なら絶対しません。

ACWIWorldEmerging
ACWI1.000.94
World1.000.92
Emerging0.940.92
欧州・中東アジア・太平洋北米中南米
欧州・中東0.950.910.48
アジア・太平洋0.950.910.46
北米0.910.910.60
中南米0.480.460.60

何のための分散か、やるなら腹落ちさせて

通常分散というとリスク(値動き)の幅を抑えるためにするとされますが、ここ数年に限っては地域なり国分類の異なる商品に投資しててもさしてリスクが減るようにはなってません。上がる時は上がるし下がる時は一緒に下がるので、あとはその幅が結果的に一緒かどうかくらいです。

なので2022〜2023年時点だけでいえばリスクの分散というよりはリターンの分散(=取りこぼしを防ぐ)が目的という方が納得感があるかなと思います。もし自分がオルカンに投資するならこれが理由です。

でも今回紹介したグラフの通りで地域別に見ようが国分類別に見ようがアメリカ以外はさっぱりという感じでむしろここからアメリカを凌ぐような成長を地域全体(アジアとか中南米という括りで)でできるのか甚だ疑問です。それだったらいっそ中国・インド・南アフリカあたりの国全体にまるッと投資できる投資信託なりETFに投資する方がマシかなぁというところです。

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