2023年度の税制改正要望【環境省】

まえがき

この時期の恒例情報といえば税制改正「要望」です(大事なので強調しました)。すでに金融庁からの要望の一つであるNISAの拡充のニュースだけはアホほど出回っていますが、果たしてそれ以外の要望をちゃんと知っている人はいかほど・・・。

ということでしばらくの間各省庁が出した要望の一覧とその中で自分が気になったものを紹介します。今回は環境省の要望をチェックします。

注意点
あくまで要望なので実現するとは一言も言ってません。特に上述のNISAの例なんかがわかりやすいですが、実現するなんて言ってもないのに巷では実現することが確定事項かのように「年間投資枠は60万円か?はたまた300万円か?」なんて記事やら動画やらが続出します(個人的には辟易)。「実現するかもしれない」「実現したらラッキー」くらいにして、あまり期待はしないでおきましょう。

各省庁の税制改正要望はこちらから確認できます。

環境省が提出した要望一覧

概略

  • 株式会社脱炭素化支援機構の法人事業税の資本割に係る課税標準特例の創設
  • 税制全体のグリーン化の推進
  • 車体課税のグリーン化
  • 福島国際研究教育機構に係る税制上の所要の措置
  • 福島国際研究教育機構への寄附に係る税制措置
  • 低公害自動車に燃料を充てんするための設備に係る課税標準の特例措置の拡充及び延長
  • 試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充及び延長

このうち2つ目と3つ目は昨年と重複する要望になります。福島のは他の省庁も提出している要望ですね。

自分が気になった要望

低公害自動車に燃料を充てんするための設備に係る課税標準の特例措置の拡充及び延長

これ、要は水素自動車を普及させるためのインフラ西部に関する特例措置です。みなさんご存知の通り目先はガソリン車から電気自動車へ、という流れになりますがその中には水素自動車の普及も含まれています。

2021年12月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画でも水素を新しい資源として捉えて水素ステーションの戦略的整備に取り組むとしています。具体的には2025年度までに320ヶ所、2030年までに1000ヶ所が目標です。

これに対して環境省の商用水素ステーションの普及状況によれば2022年2月時点で157ヶ所。チューリッヒのサイトでは2019年12月時点で112箇所となっていたので単純計算2年で45ヶ所。

このペースだとあと3年あるとして70ヶ所。157+70=227ヶ所。


いやいや全然間に合わんやん!!

これは税制優遇でもしないと一向に進まないのも当然です。

問題は電気自動車も普及させるならEVスタンドも並行して整備しないといけないこと。EVスタンドは現状2万ヶ所くらいあるので水素インフラに比べれば全然ましですが、ガソリンよりもエネルギー補充に時間がかかる以上頭数は相応に必要です。

財源が限られる中でどっちも並行していくのか、自分はどちらかに注力しつつひと段落がついたら徐々にもう片方にも予算をつけていく方がいいと思っていますが、電気自動車と水素自動車、どちらがメインになるかは読めない以上並行せざるを得ないんでしょうね。

よくこのブログで言ってますが、ガソリン車か電気自動車かという次元ではなく公共交通を優遇して、そもそも自動車いらない社会にする(そうすれば新規で電力確保しなくてもいい)方を推しているので実はどうでもいいと思っている口です。

とはいえ自動車の利便性を手放したくない人が相当数いるんでしょうから、公共交通にシフトさせることはおそらく叶わず。なかなか難しい問題です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA