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まえがき
この時期の恒例情報といえば税制改正「要望」です(大事なので強調しました)。すでに金融庁からの要望の一つであるNISAの拡充のニュースだけはアホほど出回っていますが、果たしてそれ以外の要望をちゃんと知っている人はいかほど・・・。
ということでしばらくの間各省庁が出した要望の一覧とその中で自分が気になったものを紹介します。今回は農林水産省の要望をチェックします。
各省庁の税制改正要望はこちらから確認できます。
農林水産省が提出した要望一覧
- 土地改良法の一部改正に伴う税制上の所要の措置
- 漁港施設の見直し等に係る税制上の所要の措置
- 農業経営基盤強化準備金及び農用地等を取得した場合の課税の特例の延長
- 肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の延長
- 農業協同組合等が一定の資金の貸付けを受けて取得した共同利用施設に係る課税標準の特例措置の延長
- 農業協同組合等が一定の資金の貸付けを受けて取得した共同利用機械等に係る課税標準の特例措置の延長
- 特定農産加工業経営改善臨時措置法に基づく事業用施設に係る資産割の特例措置の延長
- 森林吸収源対策を一層推進するための森林環境譲与税に係る所要の見直しの検討
- 農用地利用集積等促進計画に基づき取得する農用地区域内にある土地に係る課税標準の特例措置の延長
- 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
- 福島国際研究教育機構に係る税制上の所要の措置
- 福島国際研究教育機構への寄附に係る税制措置
- 企業年金等の積立金に対する特別法人税の撤廃又は課税停止措置の延長
- 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の拡充及び延長
- 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業経営強化税制)の見直し及び延長((1)農林漁業者関係)
- 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業経営強化税制)の見直し及び延長((2)食品企業者関係)
- 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業投資促進税制)の延長((1)農業者関係)
- 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業投資促進税制)の延長((2)森林組合等関係)
- 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業投資促進税制)の延長((3)漁業協同組合等関係)
- 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額等の特別控除(中小企業投資促進税制)の延長((4)食品企業者関係)
全体で20項目、昨年からの継続要望は1項目です。
自分が気になった要望
農業経営基盤強化準備金及び農用地等を取得した場合の課税の特例の延長
いいなと思った要望です。
まず自分が知らなかったのは「経営所得安定対策等の交付金」の存在。
- 認定農業者
- 集落営農
- 新規認定農業者
いずれかであればもらえるものです。もらえる交付金にも色々あって特定の作物を作った場合や地域の特色を生かした作物づくりなどを満たすと項目ごとにもらえる交付金が決められています。
この要望で言っているのは、このもらえる交付金を新たな用地取得のために積み立てておいたり実際に使ったりする範囲においては必要経費にできるようにしましょう!というものです。
いかんせん農業=儲からない、でも大変、故になり手がいない印象がある業種?であって経済的にお得にはならなくても損はしない、農業をやってること自体が褒められる環境づくりが重要だと思います。これはすでに実現しており、延長を要求するものですが、延長はもちろんのこと制度の拡充もぜひお願いしたいところです。
ついでに言うと特に若い人に農業をしてもらうことを考えたら農業に参入するハードルを下げるために体験できる機会を確保したりあらかじめ講習的なものを気軽に受けられるような体制があればいいなって思います。自分も興味がないかといえば0ではないのですが、知識が皆無でとっかかりがありません。
はじめの一歩を踏み出せれば後継者問題も多少は改善されるのかなって思います。