この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『「新型コロナワクチン」とウイルス変異株』です。
新型コロナワクチンについて直接解説された本を読むのはこれで3冊目です。筆者は現在サウジアラビアの大学で勤務されている理学博士で、普段メディアにはおそらく出ていないと思われます。自分は知らずに読みました。
日本にいるとよく聞くのは
・宮坂昌之先生(阪大教授)
・忽那賢志先生(同上)
ですよね。
書籍の構成
本書はワクチンって大丈夫なのか?mRNAワクチンってすぐに承認されたから危険なんじゃないか?という不安をお持ちの方に対して知識を教授する目的の本となっています。
- mRNAワクチンの特徴、人体に入ったときの仕組み
- ウイルス(変異株も含む)に対する付き合い方
- PCR検査の原理や将来的にコロナを制圧するための鍵
ボリュームは緊急出版だからか非常に小さいのですが、これまでTVやネットニュースで聞いているのとは違った観点で情報を得られることは大きなメリットと言えます。
書籍の気になった内容を一部紹介
本書の中で自分が知らなかったことをかいつまんで抜粋します。
- mRNAワクチンも元々は接種時に炎症が出ることが課題になっていた
- RNA(リボ核酸)にはその役割に応じてメッセンジャーRNA、トランスファーRNA、リボソームRNAなどある
- 過去知見などから筆者はワクチンの有効期間を3〜5年と予想
- エイズウイルスのワクチンがないのはウイルスの変異が早すぎてワクチン接種が追いつかないから
3年から5年というのはあくまで筆者の予想ではありますが、このスパンで接種と言われるなら納得かなって感じます。毎年接種翌日に熱が出るかもって言われているものを打つのは気が引けますよね。
加えて、興味本位で思ったこととしてインフルエンザワクチンの有効性が低い要因に不活化ワクチン=すでに死んだウイルスを接種するワクチンであるために免疫機能が働きづらいというのが本当であれば
インフルエンザワクチンもmRNAワクチンにしたらどうだろう?
と。新型コロナワクチンでこのタイプが使われなかった理由の1つは製造に時間がかかることです。例年の供給量が3000万本程度というのもそのあらわれかと思います。
もっともインフルエンザワクチンは有料なので供給を多くしたところで現状は無料接種できる新型コロナワクチンのようにみんなして受けるかという問題はありますが、足りないよりはマシですし研究開発されているのか気になるところであります。
感想などなど
この本のいいと思ったところ
- 文章の単なる記述+QAがセット
- ワクチンを接種すべきかどうかについては言及していない
- ウイルスについて詳しくなれる
自分がこれまで読んだ本が悪いということではなくて、そこには書かれていないことがあったと言う意味で「詳しくなれる」としています。自分はこれを読み終わっている時点ですでにワクチンを2回接種したので今さら打つ打たないの判断に活用するわけではありませんが、もっと早く読んでおいたらよかったなとは思います。
本書の内容に関連して思ったこと
新型コロナワクチンは一般ピーポーにとっては未知の存在であるがために本当に大丈夫かとか打ったらみんなして数年後には死ぬんじゃないかという論調があったように思います。
ですが、立ち返ると自分たち素人の中でインフルエンザワクチンの仕組みをちゃんと理解してから接種していた人はどれくらいいるでしょうか?
自分がそうでしたが「今までも使われているから大丈夫」「みんな打っているから大丈夫」といった判断レベルになっていなかったでしょうか?
知った気になって行動選択しているものはないか、今一度考える機会をmRNAワクチンは与えてくれたように思います。
知った上で「それなら打つ」「やっぱり打たない」と決めるのは何も問題ないですよね。インフルエンザワクチンだってアナフィラキシーショックを警戒して接種しない方が一定数いるわけですから。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中10点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- ワクチンのことをあまり調べたことがない方
- 接種するしないの判断に迷っている方
ちゃんと調べられること、理解できることまではおさえてから決断する。そうしたらそれは後悔ない選択になると思います。
未知なものこそ固定観念や無理やりインプットされた情報ではなく自ら入手した情報でもってその内容について見解を出すようにしましょう。