この記事のもくじ
この記事では直接的に書籍の内容に触れることはできるだけ避けたうえで、読んでその内容について思ったことなどなど紹介します。
今回紹介する本
『買ったら一生バカを見る金融商品』です。
お金の勉強を多少したことがある人ならわかっても、そうでない人は「絶対にお得です」「入っておいた方が安心です」こういった言葉に乗せられて手数料をぼったくられたり全く得をしない商品を買わされがちです。
悲しいかなそういった方々の存在で一部の金融機関や保険会社の経営が成り立ってしまっている側面がありますが・・・。
本書はかなり過激な主張で、これは絶対だめという金融商品と逆にお金に困らないために気をつけるべきこと(日々の生活の上)の2本だてです。
本書冒頭で述べられているように何事も大事なのは「失敗しないこと」です。明らかに失敗する方法を取らなければ失敗してもダメージは小さく済みます。
本書の構成は以下の通りです。
- 買ってはいけない〇〇
- 金融商品ーNISA、iDeCoなど
- 保険ー生命保険、外貨建て貯蓄保険など
- 郵便局
- マイホーム
- やっておいたらいいこと
- 仕事ー副業+長く働く
- 年金ー繰り下げ受給
- 家計ーものを持たない生活
- 貯蓄ー借金の早期返済+現金預金+自己投資
これもダメなの?な金融商品
初っ端からとんでもないこと言ってきたなというのがNISAとiDeCoの全力否定です。その理由、考え方を著者はこう述べています。
- iDeCo
- 60歳まで引き出せない
- 節税しないといけないほど稼いでいるサラリーマンは少ない
- もしもの時に使えないなら現金を手元に持っておくべき
- 手数料がかかる
- NISA
- 元本より目減りしてした上で“ロールオーバー”した場合はかえって税金が多くかかる
- 現金なら確実な見通しを立てられる
- 投資上限や商品ラインナップなどの制約条件が多い
- 手数料がかかる
iDeCoの「60歳まで引き出せない」「手数料がかかる」、NISAの「ロールオーバーによる税金増」「商品ラインナップ等の制約」これは事実なので特にいうことはありません。
他は言いたいことだらけなので後述します。本書を通じてわかることは著者が圧倒的に現金信仰であることです。背景として日本がデフレにあると指摘されてはいますが、投資で失敗したからなのか現金を信じて成功したからなのかはわかりません。
少々極端・・・に思えてしまう論調
この本のいいと思ったところ
- 他の金融系の本で薦めていないものは共通して網羅している(ぼったくり投資信託、保険、外貨建て)
ぐらいですね。それ以外は正直あんまりでした。
いってることがチグハグな印象を拭えない
自分がNISAやiDeCo(実際は企業型確定拠出年金ですが)をやってるから著者の意見はおかしいということはありません。
ただいくつか反論をさせてもらうと
- 投資が悪い理由はぼったくり手数料を取られること⇨そういう商品を買う人が悪い。そのためにNISAでは手数料の安い商品のみ金融庁が選定しているのに「制約がある」と批判してるのは意味がわからない
- 日本経済はデフレ⇨日本経済≒給料は停滞はしてるかもですが、物価はこの10年くらい着実に上がっていると思います。少なくとも消費増税分は。
- iDeCoは60歳まで引き出せないのがデメリット⇨じゃあなぜ年金の繰り下げ受給を推奨するのかわからない。自ら目先のキャッシュフローを放棄しているのは iDeCoも繰り下げ受給も本質的には同じ
てな感じでいってることが一貫していない印象でした。現金なら確実と言いますが投資で目減りするようにインフレで目減りするリスクが現金にはありますし、デフレが究極的に進んだら
となって結局現金いらない社会になる気もします。
この本のおすすめ度と読むのがおすすめな人
おすすめ度は10点満点中6点です。
この本は次のような方が読むのにぴったりと思います。
- お金に関する極端な意見を知りたい
自分と同じ意見の話だけ聞いてても(調べても)しょうがないのでたまにはこういう立場の本を読んでもいいかなとは思いました。
本書に対してはかなりかみつきな態度で読んで、上記レビューとしましたがこっちは金払って読んでるんですから言う事は言わせてもらおうと思った次第です。