「ジャックとジルの話」をもう少し考えてみた

まえがき

複利の凄さをわからせる「ジャックとジルの話」

GWに入りまして、少し自由時間が増えたのでリベ大のYouTube動画をいくつか見返していたところ複利に関するお話で「ジャックとジル」の話が出てきました。

自分は読んだことがないのですが「家庭の金銭学」という書籍で紹介されているらしく、投資を始めるのは早ければ早いほどいいよ!という趣旨のものです。

  • ジャック:18〜25歳の8年間で50万円ずつ投資
  • ジル:26〜65歳の40年間で50万円ずつ投資

元本はジャックが400万円に対してジルが2000万円なのでてっきりジルの方が資産が増えているかと思いきやジャックが2億5879万円、ジルが2億2130万円でジャックのほうが多いという結果です(利回りは10%の前提)。

自分「1事例で結論づけるのもちょっとなぁ・・・」

そもそもリスク商品は毎年同じ利回りになるわけじゃないので実世界でこうなるわけもないのですが、このお話の趣旨とは無関係なのでその手のツッコミは無しにしましょう。

とはいえ、この前提条件の比較だけで「じゃあ遅く投資を始めても意味がないのかぁ」と思われてしまってはそれはそれで悲しいお話です。

なのでこの記事では他の条件でもジャックとジルのような比較をしまして、必ず若い時に始めないといけないのか?という疑問に答えます。

まずは補足

65歳以降も逆転はしない?

両学長の揚げ足をとるわけではありません。まずはそこを理解してもらえれば。


当該の動画の中では「65歳以降ジルが50万円の積み立てを続けてもジャックの資産額を超える可能性はほぼない」という趣旨の話をされていたのですがケチをつけたい人だと「ある条件のもとなら逆転するかしないかの二択でしょ!ほぼってどういうこと!?」と言われそうなのでこちらで65歳以降の資産額推移のグラフも作ってみました。

グラフ作成時に65歳時点での資産額で以って計算方法が正しいことも確認済です。

結論としては逆転しません。むしろ差が広がっていってます。年利10%ともなるとジャックの場合は65歳を終えた時点の25879万円の10%で2587万円が増えていくのに対してジルは2213+元本50=2263万円しか増えません。元本を投下するぐらいでは埋まらない差が生じているってことですね。

どんな状況ならジルは報われる?

コツコツ頑張っているジルが最初の8年間に投資しただけのジャックに勝てないというのはなんだか浮かばれませんよね。そこでここではどんなケースならジルの資産額の方が増える(途中でジャックに逆転する)かを考えていきます。

もう少し利回りが低ければ?

10%という利回りの前提。いくら過去実績と言っても自分は仮定をおくには高すぎると思ってます。自分はFIREシミュレーションをする時には年利3%で見込んでいます(これは今までが出来過ぎで、将来欧米が「日本化」したらこんなもんだろうという見立てから)

3%というのは悲観的だという方もいそうですので10%の半分、5%で考えてみましょう。投資対象にもよりますが実際はここら辺で収斂するのかなとも思っています。

この場合の資産額の推移はこちら。ジルが勝ちとなりました〜。まずベースの条件と比べると縦軸のスケールがゼロ1個違うんですよね。5%の利回りだけでこうも変わるのかと思いますね。

元本を変えた場合

元本を100万円、30万円にした場合を見ていきましょう。1つ目が100万円の場合で2つが30万円の場合です。

どっちもダメですねぇ。絶対的な差額が変わるというだけでジャックの勝利は不変でした。

あとがき

それでも投資に遅すぎるはない

結果は少々不満足ですが、ジルが報われるケースがあって何よりです。

それとこの話で誤解しないでもらいたいのは投資を早く始めたほうが資産形成の上では有利だと言ってるだけで、それと目標とする資産形成ができるできないは別ということです。ベースの話でもお分かりのようにジャックもジルも65歳時点で2億円越えの資産を手にしています。

その領域まで行ってるのにどっちが多い少ないと競うことはまずないでしょう。というか65歳で2億円持ってても使う力がどれくらい残っているのかの方が個人的には気になります笑。

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