この記事のもくじ
まえがき
高配当ETF or 王道インデックス投資
一般ピーポーの主要な投資対象は
- 高配当ETF:キャッシュフローの改善
- 王道インデックス:資産拡大を最優先
の2つです。「王道」と書いたのは人気の高配当ETFも何らかのインデックスに連動した商品なのでその対比となるようにです。
もし今高配当ETFを始めた場合、配当利回り(税抜)は
- SPYD:6.04%
- HDV:2.94%
- VYM:2.44%
であるのに対してS&P500連動のETFだと
- SPY:1.31%
- IVV:1.42%
- VOO:1.44%
ですので目的が違うとはいえ「王道インデックスは配当を得るには使い物にはならないなぁ」と思われることでしょう(配当利回りは2022年5月4日時点でInvesting.comに記載のデータを引用)。
ただこれは、いまそのETFを買って、いまもらえる配当金で考えた場合は、の話です。ETF自体の価格が上がるポテンシャルを秘めているように配当金も増えていくポテンシャルがあります。
それを考慮した場合、王道インデックスに投資した場合でも将来的には高配当ETFみたいな感じでキャッシュフローの改善に役立つのでは?という話が今回のトピックです。
今は低利回りでも持ちっぱなしにしておけば
最も歴史のあるS&P500連動のETFで見る「実質配当利回り」
このグラフはS&P500連動ETFの中で最も運用期間が長いIVVでの配当実績です。S&P500の価格自体はリーマンショックとかITバブル崩壊などで大きく落ちる局面が複数回やってきてまして、配当も一時的には減少している局面がありますがETFの価格のように半額になったりせずに比較的安定して推移していますね。
続いて縦軸を変えて見てみます。各年の配当金を1993年の時の価格で割った「実質配当利回り」です。
今この瞬間の配当利回りは1.3〜4%なのに対して当時は最初っから2.5%と十分高いのですが、2021年まで持ちっぱなしにしていた場合10%超えになっています。これはどうみても高配当ETF化しているといえるでしょう。
投資開始年と実質配当利回り
ただこの結果に対して「そもそも1993年に投資開始してた人なんてそんないないでしょ」「足元の急激に株価が伸びた状態で買ってたらそんなに実質配当利回りは高くならないでしょ」こう考えることもできます。
そこで投資開始年を横軸、2021年の配当金額で計算した2021年末時点での実質配当利回りを縦軸にとったグラフがこちらです。
そりゃここ2〜3年で始めてたらたかが知れてますが2016年以前に始めてたら実質配当利回りは3%超えです。3%超えてたら税引き後でも2%超えですから高配当ETFみたいなもんでしょう。
あとがき
高配当ETFだって増配して高利回り化を期待できるけど
S&P500連動だけを取り上げて実質高配当化するんだと言いましたが、もちろんこれは高配当ETFにも当てはまる話です。なので配当金がたくさん欲しい人からしたら「高配当ETF買って放置しとけば王道インデックスよりもさらに利回り狙えるじゃん」と思うことでしょう。その通りです。
ただ、自分としては
- 王道インデックス連動のETFの方が若干手数料が低い
- 王道という安心感
- 配当金はあくまでおまけ
という考えがあるので、今後も高配当ETFを買うことは考えてません。買うとしても現金がたくさんあって一時的な乗り換え先に止める予定です。
なんとなく高配当ETFがいいと思っているのであれば(高配当ETFもそうなんですが)王道インデックス連動商品でも長期的には高配当ETFと同じような働きをしてくれるという側面があることを知った上で商品選びをしてもらえたらと思います。