【前提がおかしくない?】手取り11万円での一人暮らし

まえがき

11月5日にファイナンシャルワールドからこんな記事が出ていました。足元の電気代やガス代の値上げ、食品の値上げなど、生活環境は非常に苦しいものになっています。そうした中で家計管理を考えると言う意味では参考になるのかもしれませんが、それ以前にツッコミたくなる大きなポイントがあったので、あえて取り上げることにしました。

ひとまずはこの記事の概要だけ紹介しておきます。

この記事の概要
  • 手取り11万円で家賃4万円の一人暮らし世帯を考える
  • 11万円は全て支出しても良いと考える
  • 一人暮らし世帯の電気代は全ての支出の3.5%が年間平均なので11万円に対して3,850円が目安となる
  • ただし冬は暖房をよく使うので+1,000円と見立てて5,000円が目安になる

突っ込みたいポイント

どこから出てきた11万円

金額については後述しますが、普通こういう時は「一人暮らし世帯の平均収入である」とか「新社会人の初任給から天引きされた分を除いた手残りである」みたいな前提条件が書いてあるもんなのですが、どこからともなく現れた11万円という数字。

著者の思いつきかよ!って思います。しかも家賃4万円前提とか言っといて最後まで使っていないしわけがわからないです。

手取り11万円、普通に働いてたらどう考えても少ない

言わなくてもわかりますよね!手取り11万円という前提です。どう考えても少なすぎます。手取り11万円だと天引きを逆算してみると額面はこのようになります。180,000円だと逆算していく中で、確実に収入、つまり、税金や厚生年金等の準備がされない前のお金になるのかこちらで試算してみました。

健康保険は令和4年の協会けんぽ、宮城県の条件で計算するとおおよそ13万円となります。

手取り11万円の額面金額になるには
額面が13万円なら
  • 健康保険料:6,820円
  • 厚生年金保険料:12,261円
  • 雇用保険料:650円
  • 所得税:1240円
これらを引いたら10万9千円

派遣で働かれている方ならあるかもしれませんが、雇用形態はともかく週5日で35時間労働だと時給換算で928円ですよ。いやいや、最低賃金ギリギリって・・・。

誰を想定してるんだ・・・。しかも手取り11万円で家賃4万円って家賃は全体の3割が元になっているのかもしれませんけど、3割まで使って良いと言うのはきっちり3割分家賃に当ててくださいって意味じゃないですよ。自分が満足する条件の範囲内で安く済むならそれに越した事は無いですよね。わざわざ同じ満足度なのに高い家賃を選ぶ馬鹿はいないでしょ。

自分は過去にも炎上した「年収200万円で豊かにくらす〜〜」みたいな生活術自体は「そういう生き方もあるんだ!」という逃げ道を作る上では良いと思うのですが、それを是とするような書き方をされてしまうと結局日本のデフレが終わらないんじゃないかという懸念があります。

もし実在するとして手取り11万円に納得して働いているなら良いですが、とてもそうは思えないので、こんな記事が出ないように国や企業には賃上げ実現して欲しいです。もちろん、個々人としてスキルを上げて給料が上がるようにする努力はマストです。

まぁ少なくとも手取り1110,000円の正社員というのは存在するのかどうか分かりませんが、納得しているならともかく少ないと思っているのに、それに甘んじて働いているのであれば自分だったらすぐに転職するかなと思います。以上です。

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