【2022年読書レビュー】これからの住まい ハウジング・スモールネスの時代へ

まえがき

今回紹介する本

『これからの住まい ハウジング・スモールネスの時代へ』です。

本書の概要

ハウジング・スモールネスは著者の造語です。『「身近」「凝縮」「きめ細かさ」などの住生活を豊かにするための包括的な概念』と定義しています。

ハコモノとしての住宅は空き家問題が出るくらいなので供給過多と言っていいでしょう(という時代なのにいまだに分譲住宅を作っているのを見ると超違和感あります)。

でも全ての住宅が今の日本のニーズを満たしているかというとそうではありません。トイレは大昔の形式だったり、下手したらエアコンがなかったり。昔はハコモノが足りないという問題に対しての施策でしたが、これからは既存の住まいをどう活用するか、そこでどう暮らしていくかに重点が置かれると言います。

本書ではそんな住まいに関する政策の歴史を踏まえて今後の住宅政策のありようがわかる構成となっています。

本書の構成
  • これからの住まいに求められるもの
  • 戦後住宅史の流れ
  • 「つくる」から「つかう」
  • 「所有」から「利用」
  • 「住まい」から「暮らし」
  • 「在宅」から「地域」

今ある住居の問題点

冒頭書いた通り、ハコはあります、中身を気にしなければ(ありますよね?)。でも作られてからかなりの年月が経った「これ今でも住めるん??」な住居があるのも事実。本書では現在抱えている住居の問題点を4つあげています。

住棟特性、プラン特性

これは住まいの形(○階建てのアパートか、とか間取りがいくつかとか)が現在のニーズとミスマッチになっていることをさしています。URなんかもことごとく間取りは2DKとか3LDKとか明らかに複数人の家族で住むことを前提にしたものばかりなのをみてもそう思います。

40〜50年前の人に核家族とか一人暮らしの広まりを予測しておけという方が無理がありますけど。

居住者特性

どんな人が住んでいるかに関することです。

わかりやすい変化は少子高齢化ですね。長生きする人が増えたことは一見いいことのようですが、その分高齢者なりの苦労を抱えた人の数が単純に増えたことを意味します。

バリアフリーは?とか老人ホーム的な機能を持たせた施設を住居の周辺に用意しないといけないのか?など考えないといけないことが増えます。

郊外立地

これまたURや公営住宅の話になりますが、調べてみるとちょいと駅から離れた場所に建てられていることがわかります。

作っていた当時はとりあえず住宅の頭数を揃えることが優先だったとは思いますが、今となっては住む人の年齢層も上がっていきますし、なんなら公共交通機関のあり方やら地球温暖化やら人口減少時代やらに配慮して「コンパクトシティ」なるものを掲げている市町村もあるわけでして。

駅やバス停から離れているからぶっ壊します、という必要はないでしょうけどアクセスしやすいように交通網に配慮したまちづくりはいるんだろうと思います。

あとがき

本書にあるような「使う」「利用する」「暮らす」にシフトする考え方は大賛成です。新しく建てるにしてもスクラップ&ビルドであるべきなのが古くなってもそのまんまなものって多いです。

別に古くなったもの=悪とは思いませんが、悲しいかな日本は海外と違って地震に洪水に台風にと自然災害にさらされやすい環境なので長くは使えないと思っておかないといけないと思います。

本書にもちらっと書いてあったんですが、日本って個人個人が好き勝手家を建ててきた結果街並みの景観としてはぐちゃぐちゃになってる側面もあるのでまちづくりという観点で国や市町村には住宅作りにどんどん介入してほしいなと自分は思います。

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