【2022年読書レビュー】スパコン富岳の挑戦 GAFAなき日本の戦い方

今回紹介する本

『スパコン富岳の挑戦 GAFAなき日本の戦い方』です。


「2位じゃダメなんですか」でお馴染みのスーパーコンピューターです。ちなみにですが当時の議事録は行政刷新会議(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)の事業仕分け第3弾、11月13日分で閲覧できます。ぜひご覧ください。

この記事を書くためにはじめて議事録に一通り目を通したのですが、「2位じゃダメなんですか」が実に都合のいい切り抜きだということがわかります。前後の文脈然り、それ以前にされている質問への回答然りですが、回答者である文部科学省の担当者が然るべき回答をできてません。

自分も経緯はよく知らなかったのですがスパコンの開発にあたって設計変更⇨追加費用700億円がかかるとなったことに対する質問とか「2位じゃダメなんですか」系でいうと「一瞬しか1位を取れなかったとしてもそれでOKなのか?」みたいな、お金を出す側からしたら気になる話にふわっとした回答をしていたので「こりゃ回答見直しと思われてもしゃあないわ」と思いました。

さて、当時開発していたのは「京」ですが現在の最新のスパコンは「富岳」です。気象予測とか直近だと新型コロナ関係のシミュレーションで活躍しているニュースを目にされてきた方も多いと思います。

本書の著者はその「富岳」の開発を担当者です。そのお立場として富岳の開発の経緯、コンセプト、そもそものスーパーコンピュータの基本的知識まで網羅的に解説されておられます。なお上記の経緯に対しては以下の記事でご意見述べられていますが「ちゃんと回答しろよ」って立場でした。納得です。

世界一のスパコン「富岳」、それは「2位じゃダメなんですか」への科学者らの答えだった

2009年の民主党政権での「事業仕分け」を、このセリフとともに記憶している人は多いだろう。「2位じゃダメなんでしょうか」。ちょうど13年前の11月13日、参院議員の蓮舫さん(54)が放った言葉である。  仕分けは、自民党政権時代の「予算のムダ」を洗い出す会議で、やり玉に挙がっていたのが世界一の性能を目指すスーパーコンピューター(スパコン)「京」の開発計画だった。 …

本書の目次
  • スパコン「富岳」の挑戦
  • 「富岳」開発秘話
  • アポロ計画とファミコン
  • スパコンとは何か
  • 試合巧者になれ
  • 「富岳NEXT」と未来を語る

富岳は「世界一」を目指していない

当時は「京」、本書の題目は「富岳」なので別物ではありますが、こう書いてあって「あっそうなん??」て思いました。

スパコンの性能は定期的にランキングが公表されるらしく(なんで同じ端末同士で競わせるのにランキングが変わるのかは知りませんが)、富岳は2020年から4期連続で世界一の評価を獲得したのですが、それを目指した設計はあえてしておらず結果的に世界一になったそうです。

じゃあ何を意識して開発したのかというと「汎用性が高いこと」。汎用性が高いとは自動車分野にも使える、航空機分野にも使える、気象予測にも使える、といった具合でさまざまな分野で使えることです。実際、上記のとおり多様な分野で使われておりDXとかICTとか言われる時代にあって見事に社会インフラとして活躍していると思います。加えて省エネも実現しているとのことで時代にマッチしたスパコンといえます。

あとがき

今の時代、単に性能がいいだけの商品・サービスでは不十分で社会ニーズを満たしていないとお金を投じることに後ろ向きになってしまうように思います。SDGsとかESGがそうですし、通信業でいうと「レジリエンス」です。

今働いている職場でもこれらを意識したような動きはよくしているのですが、個人事業や副業もこういう視点を踏まえないと生き残ってくのは大変そうです。将来的に東北ジャンルで何かするならどうしたらいいもんか、悩みます。

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