【2022年読書レビュー】農協の闇

今回紹介する本

『農協の闇』です。


農業の話題になった時に「農家の成り手とか競争力とか色々あるけど、根本的な問題は農協の奴らだ!」ていう意見が目に入ってきたり耳にしたりします。

なんとな〜く組織の問題なのかと思いますが、具体的に農協という組織がどう問題なのかは実態がわからないので一般市民には知り得ないところです。

本書では著者が多方面にわたって調査を行い入手した資料や関係者の証言をもとに農協という組織の何が問題なのかを明かしている、なかば暴露本です。

本書の目次
  • 不正販売と自爆営業
  • 金融依存の弊害
  • 裏切りの経営者たち
  • JAはなぜかわれないのか

初めて知った複雑な組織の事情

本書で暴露されている実態というのは過去にかんぽのなんとか問題とか、民間の保険会社などでも行われているようなことで農協ならではじゃないかなぁというのが第一感です。

それよりも「あっそうだったの?」と思ったことをここでは紹介します。それは農協という組織がなんぞやかです。

何かというとJA=農協だと思ってたのですが、厳密にはそれが違うんだそうです。ポイントを以下にまとめます。

農協の定義
  • 農協とは農業者が農業協同組合法に基づいて設立した協同組合
  • いわゆる農家が正組合員として、農家でない地域住民が「准組合員」として所属する
  • 農協には次の2つに分けられ、JAは前者のこと
    • 総合農協:経済事業(農業、生活に必要な資材の販売)、信用事業(貯金、資金貸付)、共済事業を運営
    • 専門農協:作物別に農業者が設立していて、経済事業がメイン

さらにJAグループは下のようにピラミッド構造になってます(現代新書 「腐敗組織」農協の闇を、元「日本農業新聞記者」が暴く!より。本書の著者が書いた記事で書籍にも全く同じ図が使われています)。

縦割り組織な時点でこりゃ上手くいくはずないわってなりますね。

組織が大きくなるとどうしても縦割りにはしないといけませんがいわゆる「横串」が通っているかどうかが重要。明らかに通らないことが予想できます。根本的には大きすぎる組織なのが良くないのかもしれません。

組織のことはどうでもいいけど、日本の農業のためになるように・・・

農協という組織がどうなるかは個人的にはどうでもいいんですが、そのせいで農家の方々が割りを食っている面があるのなら一刻も早く改善するなり組織を作り直すなりしてもらいたいです。

JAのホームページにはこんなことを書いといて、個々を見ると民間の企業がやってることようなノルマ付きの営業とかショッボイ商品の販売をやってるようなら言行不一致もいいところです。

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